芳醇なる香りの探検|秋の果樹園からの贈り物

猛暑と少雨の夏を乗り越え、ついに秋の味覚・ラ・フランスの季節が到来しました。
2025年は夏の高温・少雨の影響で小玉傾向となり、山形県の予想収穫量は約1万2,400トン(平年比80%)。一方、全国統計(令和6年産=2024年収穫の西洋なし)は2万5,400トンで前年産比+29%。
価格は入荷量・等級・熟度で幅が出つつ、贈答需要などで“高値寄りの局面”も見られます。小玉傾向ながら、じっくり追熟された果実は糖度が高く、芳醇な香りと濃厚な甘みが際立つ品質に。GI(地理的表示)保護制度に登録された「山形ラ・フランス」を筆頭に、プレミアム志向が市場を牽引しています。
この記事では、2025年のラ・フランスが見せる旬の魅力と最新収穫状況、そして産地や文化を通じて広がるラ・フランスの奥深い世界をたっぷりお届けします。
さあ、芳醇な香りに包まれたラ・フランス探検の旅に出発しましょう。

待ちに待ったラ・フランスの季節、香りの航海に出港だにゃ!
ラ・フランス速報!果樹園がざわめく秋の貴婦人


秋風とともに樹上で静かに熟成を迎える、芳醇な恵み。
果樹園全体がざわめく中、今年のラ・フランスの最新状況を速報でお届けします!



今年は”濃密な甘さの物語”が果実から立ちのぼるにゃ!小粒でもキラリと光る逸品だにゃ!
🌡️ ラ・フランス速報①|収穫と相場の最新動向
≪収穫:花芽少+高温少雨で減産≫
山形県産ラ・フランスの2025年予想収穫量は約1万2,400トン(平年比80%)。花芽が少ない傾向の年に、夏の高温・少雨が重なり小玉傾向が目立ちました。山形の「予想」収穫適期は10/13〜22。全国では直近統計(令和6年産=2024年収穫)の西洋なしが2万5,400トン(前年比+29%)と回復基調です。
≪品質:小玉傾向でも食味良好≫
“小玉ほど糖度が乗りやすい”面があり、香り・甘みは良好。山形は産地で追熟管理を行い、エチレン処理品10/23、予冷品10/28の販売開始基準日を設定。食べ頃の一般的な糖度目安は14度前後、高糖度ロットや品種(例:メロウリッチ)では16〜17度も見られます。
食べ頃サイン:軸周り(肩)がやや柔らかい/香りが立つ/緑が抜けて黄みが差す。
≪相場:”品質重視”で堅調推移≫
贈答需要+減産で“高値寄りの局面”も。ただし入荷量・等級・熟度で価格に幅。GI「山形ラ・フランス」などブランド果は百貨店・ECでギフト需要が強く、直売・道の駅では自家用向けのお値打ち小玉も並び、選択肢は多様です。
買い方のヒント:ギフトは大玉・高等級、自家用は小玉(味重視・コスパ)/“すぐ食べる”なら肩が柔らかめ、“数日置く”ならやや硬めを。
🗺️ ラ・フランス速報②|地域トピックまとめ
果樹園の風土と気候を活かした、各地の最新動向です。
- 山形県(生産量全国1位・約7割シェア〔令和6年産〕)
2025年の販売開始基準日は10月28日(火)、エチレン処理品は10月23日(木)に決定。予想収穫適期は10月13日〜22日。県公表の見込みでは収穫量約1万2,400トン(平年比80%)で、小玉傾向。ただし糖度は乗りやすく、品質は良好との評価。 - 青森県(生産量 全国2位・約7%)
2025年は発芽が平年より前進(ラ・フランスは4/5、平年4/9)し、生育前進ぎみのスタート。県の生育情報は霜害対策の徹底や病害虫管理の適期作業を強く呼びかけています。=今季は「早めの管理+選果」が鍵。 - 新潟県(同3位・約6%)
県内の西洋なしはル レクチエが主力で、11月下旬〜12月に最盛期(ラ・フランスの作付けは規模小さめで直売・EC中心に流通)。直売所の秋イベントは10月に各地で実施され、洋梨の入荷が動き始めるのはこの時期。11月下旬からはギフト商材としてル レクチエの出荷が本格化。 - 長野県(上位産地の一つ)
9月末時点で南信州の直売所に入荷が始動(JAみなみ信州の直売所告知)。自治体の返礼品でも「10月中旬~11月上旬ごろ配送」が並び、今年の出荷も例年どおり秋本番に集中。産地内の標高差を活かしつつ、10月下旬からの本格出荷が見込まれます。
🎪 ラ・フランス速報③|秋のイベント情報
この秋は、産地直売イベントや果樹園での収穫体験が各地で展開。芳醇な香りが、秋空の下にふわっと広がる季節です。
- かみのやまツール・ド・ラ・フランス 2025(山形県上山市)
2025年8月31日(日)~11月9日(日)開催(市公式・公式サイト告知)。サイクリングとラ・フランス産地を巡る体験型イベント。秋の果樹園を自転車で巡り、旬の果実を楽しむ名物企画。 - 天童ラ・フランスマラソン 2025(山形県天童市)
2025年11月2日(日)。名物は“ラ・フランス食べ放題”と山形名物の芋煮でもてなす大会。大会名の通り、ラ・フランスが主役のランイベントです。 - おいしい山形 秋まつり(東京・銀座)
2025年10/17(金)〜11/16(日)。銀座「おいしい山形プラザ」で開催。10/28〜11/16は特産品3,500円以上購入の毎日先着30名に“県産ラ・フランス”をプレゼント(レストランの秋限定メニューも)。



香りを追って旅すれば、きっと”至福の一口”が待ってるにゃ!産地の空気ごと味わうのが醍醐味だにゃ!
ラ・フランスの産地をめぐる|山形・青森・新潟・長野


果樹園の土や風土の違いが、ラ・フランスの香りや甘みを変える――それがこの果実の奥深さ。
2025年の果樹園をめぐりながら、外せない産地の“今年の顔つき”をのぞいていきます。



産地ごとに香りが変わるにゃ。果樹園の旅に出発だにゃ!
🍐 山形県|”ラ・フランス王国”の芳醇秘密基地
盆地が育む、至高の香りと甘み
山形県は、盆地特有の寒暖差が大きい気候に恵まれた土地。昼は太陽の光をたっぷり浴びて糖度を高め、夜は冷涼な空気で酸味と香りを引き締める――このサイクルが、ラ・フランス特有の芳醇な香りと濃厚な甘みを生み出します。しかも、周囲を山々に囲まれているため台風被害を受けにくく、安定した生産環境を実現。この自然の恩恵が、「山形ラ・フランス」としてGI(地理的表示)保護制度に登録される品質を育てています。
≪2025年の動き≫
- 予想収穫量は約1万2,400トン(平年比80%)。夏の高温・少雨で小玉傾向だが、食味は良好。
- 収穫適期:10月13日〜22日。
- 販売開始基準日:エチレン処理品 10月23日/予冷品 10月28日。
- GI運用の下、出荷規格(例:1玉180g以上)と追熟管理を徹底。
- オリジナル品種の動き:メロウリッチ(高糖度16〜17度)、バラード(大玉系)も栽培拡大中。
🍐 青森県|寒冷地が紡ぐ、繊細な香りの世界
じっくり育つ、上品な甘さ
青森県は、冷涼な気候がラ・フランスの成長をゆっくりと促す土地。寒さの中で時間をかけて育つため、繊細な香りと上品な甘さが際立ちます。津軽地方を中心に栽培が盛んで、りんごとの複合経営農家が多いため、高い果樹栽培技術が受け継がれています。
≪2025年の動き≫
- 冷涼条件の中で生育が前進ぎみの園地も。園地間の熟度差が出やすく、早めの選果・品質見極めが鍵。
- 出回り時期:10月下旬〜11月中心の見込み(直売・観光果樹園の受け入れ強化)。
- りんごとの複合経営を活かし、労力配分と選果体制を最適化。
🍐 新潟県|日本海が育む、独特の風味
ル レクチエの里が守る、もう一つの洋梨文化
新潟県は、日本海側特有の気候がラ・フランス栽培にも影響を与える土地。主力品種はル レクチエですが、ラ・フランス栽培も継続されており、収穫時期はやや遅めの10月下旬~11月上旬。湿度が高く、雪の多い気候が、独特の風味を生み出しています。
≪2025年の動き≫
- 県内の洋梨主力はル レクチエ。ラ・フランスは規模小さめで直売・EC中心に流通。
- ラ・フランスの店頭ピーク:10月下旬〜11月上旬。
- ル レクチエ:11月下旬から贈答向けの本格出荷(洋梨全体の山場は初冬へ)。
🍐 長野県|高冷地が奏でる、清涼な香り
標高差が生む、多様な個性
長野県は、標高差を活かした多様な栽培環境が広がる土地。高冷地栽培による清涼な気候が、さわやかな香りと引き締まった食感を実現しています。産地内でも標高によって収穫時期や味わいが異なり、個性豊かなラ・フランスが生産されています。
≪2025年の動き≫
- 南信→中信→北信の順に出荷が進む見込み。標高差を活かして10月中旬〜11月に時期分散。
- 観光果樹園・直売の動きが活発で、自家用の小玉・加工向けも充実。
- 有機・減農薬の取り組みを継続し、直売所での訴求を強化。



王者の山形、繊細な青森、独特の新潟、清涼な長野…どの港に寄港するか、迷うのもまた楽しいにゃ!
ラ・フランスと文化|秋の暮らしを彩る”芳醇の物語”


ラ・フランスは食卓を超え、日本の秋の文化に深く根ざしてきました。
ラ・フランスを核とした料理文化や、加工品の進化の奥深い世界をたっぷりお届けします。



フランス生まれ、日本育ち。世界でこの国だけが守り続けた”芳醇の記憶”だにゃ!
🍐 追熟文化|待つ楽しみ、見極める喜び
ラ・フランス最大の特徴は「追熟」にあります。収穫直後は硬く、香りも控えめですが、常温で2~3週間追熟させることで、芳醇な香りととろけるような食感が生まれます。
≪2025年の追熟トレンド≫
- 追熟サポートの充実:
ECや産直では「食べ頃ガイド」や同封の追熟案内が一般化。出荷時に“食べ頃日”を記載する取り組みもあり、家庭での見極めがしやすくなっています(県の販売開始基準日の運用と併せて“食べ頃の目安”が明確化)。 - 追熟技術の家庭化:
家庭用の追熟ボックスや、冷蔵庫の野菜室を活用した追熟方法が注目され、「待つ楽しみ」を自宅で体験する文化が定着。
🍷 スイーツ・加工品|芳醇さを閉じ込める無限の可能性
ラ・フランスは加工によって価値を無限に広げ、タルト、コンポート、ワイン、リキュール、ジュースなど多彩な商品が展開されています。
≪2025年の加工トレンド≫
- 高級スイーツへの展開:
パティスリーでのラ・フランスタルトやムースが定番化し、百貨店の秋スイーツとして人気。ワインコンポートを使った本格派タルトは、SNS映えもあり若い世代にも浸透。 - ワイン・リキュールの進化:
山形県産ラ・フランスを100%使用したフルーツワインやスパークリングワインが好評。リキュールは日本酒ベースのものも登場し、和洋融合の味わいが楽しめます。 - ジュース・ピューレの通年化:
冷凍ピューレや濃縮ジュースにより、旬を過ぎても芳醇な香りを楽しめる商品が増加。スムージーやカクテルの材料としても人気。
🏡 家庭の食卓|追熟を楽しむ暮らし
ラ・フランスは、そのまま食べるのはもちろん、コンポート、タルト、サラダ、肉料理の付け合わせなど、家庭料理で多彩に活躍します。追熟の過程を楽しみ、食べ頃を見極める喜びは、日本の食文化に深く根付いています。
≪2025年の状況≫
- 追熟の見える化:
家庭でも軸周りの柔らかさや香りで食べ頃を判断する技術が浸透。SNSでの情報共有により、初心者でも失敗しにくい環境に。 - 健康志向の浸透:
ラ・フランスに含まれる食物繊維やビタミンC、カリウムが注目され、美容・健康食品としての認知が拡大。朝食やおやつとしての利用が増加。 - 地域文化の継承:
山形県をはじめとする産地では、ラ・フランスを使った郷土料理やスイーツが地域の食文化として受け継がれ、世代を超えて愛されています。



追熟を待つ時間も、ラ・フランスの楽しみの一部だにゃ!香りが立ち上がる瞬間を見逃すな、だにゃ!
未来への果樹園|ラ・フランスと環境のこれから


ラ・フランスの芳醇さは、気候と土壌、そして生産者の技術の結晶です。
2025年の厳しい気候条件を踏まえ、これからの“美味しい未来”に向けて課題とヒントを整理します。



芳醇の航路を未来にも。さあ”守る冒険”の時間だにゃ!
🌡️ 気候変動との向き合い方|新たな栽培技術の確立
ラ・フランスの安定供給と品質維持は、気候変動という地球規模の課題と向き合うことで成り立っています。
≪いま:暑さと少雨がもたらす現実≫
2025年の夏は高温・少雨が顕著で、果実肥大の伸び悩みや小玉比率の上昇が課題に。山形の見込み収穫量は平年比80%。樹体には水分・温度ストレスがかかり、地区や園地で“熟度の進み方の差”も出やすい年です。
≪畑で守る:水・光・土をチューニング≫
点滴かん水での“少量・高頻度”管理、草生・マルチで土壌水分を保持、遮光ネットで高温ストレスを軽減。摘果・樹勢管理で樹の負担を整え、受粉や遅霜期は防霜・散水で芽を守る──現場では「水・光・土」を細かく整える総合対応が進んでいます。
≪食べ頃を揃える:データ×追熟≫
センサー×気象データで熟度と環境を見える化し、収穫や選果・ロット設計を最適化。産地では予冷・追熟(必要に応じてエチレン処理)を経て販売開始基準日に合わせて出荷し、“店頭での食べ頃”を平準化します。小玉ロットは“味の濃さ”で訴求し、品質重視のギフトは高等級を確保──圃場から店頭まで一気通貫で守る年です。
🏭 品種開発と技術革新|次世代ラ・フランスへの挑戦
ラ・フランスの価値をさらに高めるため、品種開発と技術革新が進んでいます。
≪品種:新世代系統の拡大≫
山形県オリジナル品種「メロウリッチ」「バラード」は、ラ・フランスの弱点を補う新世代として期待されています。メロウリッチは糖度16~17度と高く、バラードは大玉で食べ応えがあり、両品種ともラ・フランスより病害に強い特性を持ちます。
≪追熟:ポストハーベストの高度化≫
追熟技術の高度化により、収穫後の品質管理が格段に向上。温度・湿度・エチレンガスの制御により、最適なタイミングで消費者に届ける体制が確立されつつあります。産地の販売開始基準日(例:エチレン処理品→予冷品の順)と連動させ、店頭の“食べ頃”ピークを平準化。
≪リスク:開花前進→晩霜リスク≫
温暖化で発芽・開花が前進すると、遅霜の影響を受けやすくなる。芽傷み回避や防霜対策、開花期の営農判断支援が重要課題。
📦 流通・マーケティングの進化|価値を伝える仕組み
国際的に保護されたGIブランド「山形ラ・フランス」の価値を最大限に高めるため、流通・マーケティング戦略が多様化しています。
≪国内における価値の創出≫
産地直送やオンライン販売の拡大に加え、観光果樹園や加工体験を組み合わせた6次産業化が進展。GIマーク表示や販売開始基準日に合わせた出荷設計とあわせ、産地の物語とともに価値を直接伝える仕組みを構築しています。
≪国際展開と文化発信≫
現在、商業生産は日本に集中しており、とくに山形が国内の大半を担います(令和6年産で約70%)。アンテナショップや観光プロモーションを通じ、日本の栽培技術と追熟文化の発信が進んでいます。
👥 持続可能な産地づくり|次世代への技術継承
ラ・フランス農家の高齢化や離農を防ぎ、持続可能な産地を築くことは喫緊の課題です。
≪技術と人材の継承≫
新規就農者には段階的な現場研修(圃場→選果→販売)とメンター制を整え、スマート農業(環境センサー/ドローン/糖度・硬度計)の操作・活用まで一体で習得。伝統的な追熟管理は基礎として継承しつつ、データに基づく収穫・出荷設計へつなげ、若手が手応えを感じやすい仕組みにアップデートしています。
≪経営と環境の持続性≫
契約栽培や共同選果・共同冷蔵のシェアリングでコストとリスクを分散。規格外・小玉の加工活用でフードロスを抑え、収益を底上げします。環境面ではGAP/トレーサビリティの徹底、土づくり(有機・減農薬/被覆・草生)、省エネ冷蔵・再エネ活用を進め、“稼げて続く”産地をめざしています。



つくる人・運ぶ人・食べる人、みんなで芳醇の共同航海者にゃ!技術と愛情で、未来の食卓も香り高くするにゃ!
まとめ|芳醇な香りとともに歩む秋の記憶


ラ・フランスの魅力は、特別な贈答だけでなく、家庭の食卓と日々の暮らしにこそ生きています。追熟を待つ静かな時間、芳醇な香りが立ち上る瞬間、家族で囲むデザートタイムの笑顔――その一つひとつが、私たちの“秋の記憶”を彩ってきました。
2025年のラ・フランスは、裏年と少雨という厳しい試練を乗り越えました。収穫量は平年比2割減となったものの、小玉ながら糖度が凝縮された高品質な果実が収穫され、「小さくても芳醇さは格別」との声が全国から聞かれました。
入荷や等級の影響を受けつつ“高値寄りの局面”も見られましたが、GIブランド「山形ラ・フランス」など品質訴求が進み、贈答需要や加工需要の広がりとともに、通年で楽しむ文化としての浸透が進んでいます。
気候変動への適応、新品種の開発、追熟技術の高度化、6次産業化の推進――ラ・フランス産業は新たな可能性に向かって歩み続けています。現在は日本が主要な商業生産地で、とくに山形が国内の大半を担っており、その物語性と技術力が国際的にも注目されています。
この秋、果樹園の恵みを心ゆくまで味わい、次の収穫への感謝と期待を込めて、このラ・フランス探検を締めくくりましょう。



小さくても芳醇さたっぷり、心に大きな幸せを運んでくれた今年のラ・フランス。この記憶を胸に、次の豊作の海へと出航するにゃ!追熟を待つ楽しみは、来年もまた続くにゃ!