【2025年版】離島のネット環境ガイド｜電波・速度のリアルとおすすめ回線

はじめに｜ネットさえあれば、島でも生きていける

「離島に移住したいけど、ネットが遅かったら仕事にならない……」 そう不安に思う人も多いでしょう。

現代の生活において、ネット回線は電気・水道と同じくらい重要なライフラインです。

結論から言うと、主要な離島のネット環境は本土とほぼ同じレベルまで整っています。

ただし、「回線やキャリアの選び方」を間違えると、圏外や速度制限に泣くことになります。

この記事では、2025年11月時点での離島のネット事情と、失敗しない回線・Wi-Fiの選び方を徹底解説します。

離島のネット環境、ぶっちゃけどうなの？

まずは、離島全体のネット事情の「現状」を把握しておきましょう。

「島＝ネットが遅い」というイメージは、過去のものになりつつあります。

光回線は多くの島で開通済み

現在、日本の有人離島の多くには、海底ケーブルを通じて光回線が敷設されています。 特に、橋で繋がっている島や、宮古島、石垣島、佐渡島、伊豆大島といった人口規模のある島では、本土と全く変わらない高速通信が可能です。

ただし、人口が極端に少ない島や、集落から離れたエリアでは、いまだに光回線が来ていないこともあります。 その場合、CATV（ケーブルテレビ）回線や固定無線、あるいは衛星回線しか選択肢がないケースもあるため、事前の確認が必須です。

なお、かつて主流だったADSLは、以下のスケジュールで終了が進んでいます。

• NTT東日本エリア：
  • 2025年1月31日に終了済み
• NTT西日本エリア：
  • 2026年1月31日に終了予定
  • ※新規受付はすでに終了しています。

スマホの電波は「キャリア」による

スマートフォンの電波（4G/5G/LTE）も、集落や観光地であればほぼ問題なく繋がります。 しかし、島の裏側や山間部に入ると、キャリアによって繋がりやすさに大きな差が出ます。

また、観光シーズンやお盆・正月など、人が一気に増える時期は注意が必要です。 基地局の処理能力を超えてしまい、通信速度が極端に遅くなる「パケ詰まり」が起きることもあります。

工事が遅い「島時間」に注意

ネット環境自体はあっても、開通までの期間には注意が必要です。

光回線の工事担当者が島に常駐していない場合、本土から業者が来るのを待たなければなりません。

申し込みから開通まで数ヶ月かかることも珍しくないため、余裕を持ったスケジュールが必要です。

【固定回線】安定重視なら「光回線」一択

動画編集やオンラインゲーム、安定したWeb会議が必要なら、迷わず光回線を引きましょう。

島で光回線を引く際のポイントを解説します。

「フレッツ光（NTT）」提供エリアを確認する

離島の光回線は、多くの地域でNTTの「フレッツ光」の設備（およびその卸を使う光コラボ）が基盤になっています。

まずはNTT西日本・東日本の公式サイトで、移住先の住所が「フレッツ光提供エリア」に入っているかを確認しましょう。

エリア内であれば、「ドコモ光」や「ソフトバンク光」などの光コラボレーション（光コラボ）も利用可能です。

地元CATV（ケーブルテレビ）という選択肢

NTTの光回線が来ていない地域でも、地元のケーブルテレビ局がネット回線を提供している場合があります。

速度は光回線に劣る場合もありますが、テレビとセットで安くなるなどのメリットも。

役場のホームページなどで、地域の通信事業者をチェックしてみましょう。

申し込みは「移住が決まったら即」

前述の通り、離島での回線工事は時間がかかります。

引越し日が決まったら、すぐに申し込みを済ませておきましょう。

開通までの間、ポケットWi-Fiをレンタルしてくれるサービスを利用するのも賢い方法です。

【モバイル回線】工事不要の「ホームルーター・Wi-Fi」

「工事を待ちたくない」「賃貸だから工事できない」

そんな人におすすめなのが、コンセントに挿すだけで使えるホームルーターやポケットWi-Fiです。

「ドコモ home 5G」が離島最強説

ホームルーターを選ぶ際、最も重要なのは対応エリアです。 離島においてエリアの広さで優位性があるのが、NTTドコモの回線を使う「home 5G」です。

ドコモのスマホが繋がる場所なら利用できるケースが多く、光回線が引けない場所での強い味方になります。 ただし、以下の点には注意が必要です。

• 場所によっては5Gではなく4G（LTE）接続になる
• 速度は設置場所や時間帯によって変わる
• 契約時に登録した設置住所のみで利用可能（持ち運び不可）

WiMAXは「エリア確認」が必須

コストパフォーマンスが良い「WiMAX」ですが、離島ではエリア外の場合も多いです。

また、エリア内でも「プラスエリアモード（au回線）」を使わないと繋がらない場所があり、その場合は月間の容量制限に引っかかるリスクがあります。

契約前に必ず「ピンポイントエリア判定」を行いましょう。

楽天モバイルは「最強のサブ回線」

データ無制限で使える楽天モバイルも魅力的です。 自社回線エリア外でも、一部地域では「パートナー回線（au）」が使えるため、現時点では離島でも繋がるエリアが少なくありません。

• 注意点：
  • KDDIとのローミング提供は2026年9月末で終了予定（延長の可能性あり）
• 速度制限：
  • 混雑時などは公平なサービス提供のため速度制御がかかる場合がある

テザリング用のサブ回線として非常に有力ですが、最新のエリアマップは必ず確認しましょう。

【携帯キャリア】島で強いのはどこ？

スマホのキャリア選びも重要です。

「この島では〇〇しか繋がらない」ということが現実に起こります。

安定感No.1はやっぱり「ドコモ」

離島や山間部において、基地局の数とカバーエリアの広さで高い評価を得ているのがNTTドコモです。

災害に強いネットワークづくりにも力を入れており、「迷ったらドコモ」と言われるほどの信頼感があります。

ahamo（アハモ）などの格安プランでもドコモ回線が使えるので、コストを抑えることも可能です。

au・SoftBankも観光地なら問題なし

auとSoftBankも、主要な観光地や集落であれば問題なく繋がります。

特にauは、沖縄セルラーという強力な地盤があるため、沖縄の離島ではドコモ以上に強い場所もあります。

ただし、集落から離れたビーチや山の中では、ドコモに比べて圏外になりやすい傾向があります。

最終兵器「Starlink（スターリンク）」

光回線も携帯の電波も届かないような秘境に住むなら、イーロン・マスク氏率いるSpaceX社の衛星通信「Starlink」という選択肢があります。

サービス提供エリア内で空が開けていれば、山間部や離島などでも高速通信が可能な衛星インターネットです。

天候や周囲の建物の影響で速度が変動する場合はありますが、「光回線も携帯も届きにくい場所でも使える」選択肢として注目されています。

最近では、コストコなどでアンテナキットが購入できるようになっています。

離島におすすめのネット回線比較表

これまでの情報を整理しました。

自分のライフスタイルに合わせて選びましょう。

回線タイプ別比較（2025年11月時点）

タイプ	おすすめサービス	速度・安定性	工事	特徴
光回線	フレッツ光（光コラボ）	◎（最速）	必要	安定性最強。仕事で使うならコレ。
ホームルーター	ドコモ home 5G	◯（速い）	不要	工事なしで簡単。ドコモエリアで使える。
ポケットWi-Fi	WiMAX / クラウドWiFi	△（場所による）	不要	持ち運び可能。エリア確認が必須。
衛星通信	Starlink	◯（安定）	不要	空が開けた場所で利用可能。料金は高め。

あなたに合うのはどれ？選び方の目安

• 仕事でWeb会議や大容量通信をする人
  • 迷わず「光回線」を引きましょう。
  • 安定性が段違いです。
• 賃貸で工事ができない人・すぐに使いたい人
  • 「ホームルーター（home 5G）」が第一候補です。
• 家でも外でも使いたい人
  • 「ポケットWi-Fi」か、スマホのテザリング（楽天モバイルなど）を活用しましょう。
• 山奥や僻地で暮らす人
  • 最終手段として「Starlink」を検討しましょう。

まとめ｜ネット環境を整えて、快適な島ライフを

今回は、2025年最新の離島のネット環境について解説しました。

• 固定回線：工事期間に注意。安定重視なら「光回線」。
• モバイル：手軽さなら「ドコモ home 5G」がおすすめ。
• スマホ：沖縄ならauも強い。エリアの広さではドコモが有力候補。

「島だからネットが遅いのは仕方ない」と諦める必要はありません。 適切な回線を選べば、美しい海を眺めながら快適に仕事をしたり、映画を楽しんだりすることができます。

移住先の住所が決まったら、まずは「エリア確認」から始めてみてください。 その一手間が、あなたの島暮らしの質を大きく左右します。