はじめに:灯台の心臓部、魔法のレンズ

灯台の光が、遠い海の彼方まで届くのはなぜだろう?と考えたことはありますか。
その秘密は、灯台の最上部、光を発する「灯室(とうしつ)」の中に隠されています。
そこには、まるで宝石のように輝く、巨大で複雑なガラス製の「灯台 レンズ」が設置されています。
この記事では、灯台の心臓部とも言えるこの特殊なレンズ、特に「灯台 フレネルレンズ」に焦点を当て、なぜそれが光を強力に集め、遠くまで届けることができるのか、その仕組みと種類について、技術的な好奇心を満たすべく詳しく解説していきます。

やあ、みんな!ココロ船長だにゃ! 灯台のてっぺんでキラキラ光ってる、あの大きなガラスの塊に注目だにゃ! あれこそが、暗い夜の海を照らす光を作り出す「魔法のレンズ」なんだにゃ。 今回は、船長も大好きな技術のロマン、「フレネルレンズ」の秘密を探る航海に出発するにゃ!
フレネルレンズとは?発明が生んだ「光の革命」


まず、「フレネルレンズ」とは一体何なのでしょうか。
これは、19世紀初頭にフランスの物理学者オーギュスタン・ジャン・フレネルが、灯台のために発明した特殊なレンズのことです。
1823年、フランスのコルドゥアン灯台に初めて設置され、灯台の光達距離を飛躍的に伸ばした、まさに「光の革命」でした。



フレネルさん、ありがとにゃ! 1823年!すごい昔から船の安全を守ってくれてるんだにゃ。 この発明がなかったら、夜の航海はずっと危険なままだったかもしれないにゃ。
従来のレンズの問題点
フレネルレンズが登場する前、灯台では単純な凸レンズや反射鏡を使って光を集めようとしていました。
しかし、灯台の光を遠くまで届かせるためには、非常に大きくて分厚い凸レンズが必要になります。
そのようなレンズは、作るのが難しく、重すぎて回転させるのも大変で、さらにガラスの厚みで光が吸収されて暗くなってしまう、という大きな問題がありました。
フレネルの発想:レンズを「薄く」「分割」する
そこでフレネルは、巨大な一枚の凸レンズを作る代わりに、レンズを同心円状の輪切りにし、それぞれの部分を薄いプリズムとして組み合わせるという画期的なアイデアを思いつきます。
図のように、中心部分は通常の凸レンズと同じですが、外側に行くほど、光を同じ一点(焦点)に集めるように角度が設計された薄いプリズムを階段状に配置します。
さらに灯台用のレンズでは、外周部分に「カタディオプトリック・プリズム」と呼ばれる、光の屈折と全反射を組み合わせた特殊なプリズムを用いることで、光源から斜め方向に出る光も無駄なく水平方向の強力なビームへと集める工夫がされています。
これにより、巨大なレンズと同じ光の屈折・集光効果を、はるかに少ないガラスの量で、薄く、軽く実現できるようになったのです。
これが「灯台 フレネルレンズ」の基本的な仕組みです。



天才的なひらめきだにゃ! 分厚いステーキ肉を、薄切り肉を重ねて同じ形にするようなイメージかにゃ? しかも「カタディオプトリック」で、お肉の旨味(光)を一滴も逃さない工夫まで! 最初は鏡も使ってたなんて、進化の歴史も面白いんだにゃ!
灯台レンズの種類と仕組み:光をどう操るか?


フレネルレンズは、その構造によってさらにいくつかの種類に分けられます。
光をどのように集め、放つかによって、灯台の光り方や役割が変わってくるのです。



レンズにもいろんなタイプがあるんだにゃ。 光を一点集中させるのか、全方向に広げるのか、目的に合わせて使い分けるんだにゃ。 ここからは、灯台 レンズ 種類について詳しく見ていくにゃ!
1. 閃光レンズ(せんこうレンズ):光のビームを作り出す
これは、光源(電球など)から出た光を、レンズの作用で強力な数本の光のビーム(光束)に変え、それを回転させることで「ピカッ…ピカッ…」という閃光(せんこう)を作り出すレンズです。
レンズ全体が、光を水平方向の特定の向きに集中させるように設計されたプリズムで構成されています。
レンズが回転することで、その強力なビームが船から見えたり見えなくなったりするため、点滅して見えるのです。
岬の先端にある大型の灯台でよく使われ、遠くまで光を届けるのに適しています。
2. 不動レンズ(ふどうレンズ):光を水平に広げる
こちらは、光源からの光を水平360度に均等に広げるためのレンズです。
レンズの上半分と下半分に取り付けられたプリズム(多くはカタディオプトリック・プリズム)が、上下方向の光を効率よく水平方向に屈折させ、360度均一に光を配ります。
このレンズ自体は回転せず、光は点滅せずに不動光(ふどうこう)として周囲を照らし続けます。※点滅させる場合は、光源自体を点滅させます。
港の入り口を示す灯標など、比較的近い距離の目印として使われることが多いです。
3. 固定・閃光複合レンズ(fixed & flashing):不動光+閃光
不動レンズの周囲に、さらに光を集めるための「フラッシュ用パネル(ブルズアイ・レンズなど)」を配置し、そのパネル部分だけを回転させる方式です。
これにより、常に弱い不動光で照らしつつ、周期的に強い閃光を重ねて放つことができます。
「弱い光はずっと見えているけど、時々強くピカッと光る」という、より複雑な光り方(灯質)を作り出すことができます。
レンズの等級:焦点距離で決まる光の力
フレネルレンズは、その性能を示す「等級(Order)」で分類されます。
この等級は、レンズの大きさそのものではなく、レンズの中心から焦点(光源の位置)までの距離である「焦点距離」によって定義されています。
- 第一等レンズ:
- 焦点距離: 920mm
- 代表的な寸法: 高さ 約2.59m / 幅(直径相当) 約1.8m
- 特徴: 最も強力で、光達距離も長い。重要な岬の灯台などに設置。
- 第六等レンズ:
- 焦点距離: 150mm
- 代表的な寸法: 高さ 約43cm
- 特徴: 最も小型の等級。港湾の灯標など、比較的近距離用。
第一等から第六等まであり、数字が小さいほど焦点距離が長く、レンズも大きく、光を遠くまで届かせる能力が高くなります。
光の届く距離(光達距離)は、レンズの等級(光度)、気象条件(視程)、地球の丸みなどによって変動しますが、例えば第一等レンズを持つ犬吠埼灯台(千葉県)の光達距離は19.5海里(約36km)とされています。
また、大型レンズを持つ出雲日御碕灯台(島根県)は、光達距離が21海里(約39km)と案内されています。
設置される灯台の重要度や役割に応じて、最適な等級のレンズが選ばれているのです。



等級は「焦点距離」で決まってたんだにゃ!勉強になったにゃ。 第一等レンズは高さ2.5m超え! やっぱり大きい! 犬吠埼灯台の光が36kmも先まで届くなんて、すごいパワーだにゃ! 船乗りたちは、この等級の違いも頼りにしてるんだにゃ。
フレネルレンズが灯台の光の仕組みをどう変えたか?


フレネルレンズの発明は、まさに灯台の光の仕組みにおける革命であり、夜間の海上交通の安全性を飛躍的に向上させる大きな一歩となりました。
この革新的なレンズは、光をより効率的に集めて遠くまで届けるだけでなく、灯台が持つ「個性(灯質)」を生み出し、その運用方法にも大きな変化をもたらしたのです。



フレネルレンズが登場する前と後では、夜の海の安全度が全然ちがうんだにゃ。 船乗りたちにとって、どれだけ心強い光になったことか!
より遠くまで、より明るく
フレネルレンズは、従来のレンズよりもはるかに効率的に光を集め、強力なビームとして遠くまで届けることを可能にしました。
これにより、船はより遠くから灯台の光を認識できるようになり、陸地や危険な岩礁への接近を早期に察知できるようになったのです。
多様な光り方(灯質)の実現
レンズの構造(閃光、不動など)や回転速度を変えることで、様々な点滅パターン(灯質)を作り出すことが容易になりました。
これにより、各灯台が固有の「光の戸籍」を持ち、船が自分の位置を正確に特定することが可能になったのです。
軽量化による回転機構の実現
レンズ自体が軽量化されたことで、大きなレンズでもスムーズに回転させることができるようになりました。
これにより、「閃光」という、より遠くまで届きやすく識別しやすい光り方が主流となっていったのです。
まさにフレネルレンズは、現代の灯台の光の仕組みの基礎を築いた、偉大な発明と言えるでしょう。



フレネルレンズのおかげで、灯台はただ光るだけの目印から、「私は〇〇灯台です!」と名前を名乗り、遠くまでその声を届けることができるようになったんだにゃ。 夜の海の安全は、この魔法のレンズに支えられていると言っても過言ではないにゃ!
まとめ:フレネルレンズは灯台の”目”であり”心臓”


今回は、灯台の光を遠くまで届ける秘密、「灯台 フレネルレンズ」の仕組みと種類について解説しました。
フレネルレンズは、1820年代に考案され、1823年にフランス・コルドゥアン灯台へ初設置された、巨大レンズを薄いプリズム(カタディオプトリック含む)に分割・再構成する方式で、軽量かつ効率的に光を集める特殊な灯台 レンズです。
- 閃光レンズ(光をビーム化して回転)や不動レンズ(360度照らす)、固定・閃光複合レンズなど、目的に応じた種類があります。
- レンズの性能は焦点距離で定義される「等級」で示され、第一等が最も強力です(例:犬吠埼灯台 約36km / 出雲日御碕灯台 約39km)。
- フレネルレンズの発明により、灯台の光はより遠くへ、より明るく、そして多様な光り方(灯質)で船を導くことができるようになり、灯台 光 仕組みに革命が起きました。
灯台のあの美しく力強い光は、この精巧なフレネルレンズがあってこそ生まれるものです。
もし「登れる灯台」を訪れる機会があれば、ぜひ灯室にある巨大なレンズを間近で見て、その技術と歴史に思いを馳せてみてください。



フレネルレンズは、まさに灯台の”目”であり”心臓”だにゃ! あのレンズを通して放たれる光が、今も昔も、船乗りたちの命を守っているんだにゃ。 技術の進歩って、本当にすごい! 次の航海(記事)も、海のナゼ?を探っていくから、お楽しみににゃ!











