はじめに|島暮らしの「足」はどうする?

離島移住を計画する際、家探しの次に悩みやすいのが「車を持っていくか(現地で用意するか)」という移動手段です。
多くの離島では、買い出しや通院、通勤まで含めて車があると生活が回りやすい傾向があります。 一方で島は潮風の影響を受けやすく、車種や保管環境によってはサビが進みやすい点に注意が必要です。
この記事では、離島生活における車の必要性、塩害対策、車検・ガソリン代のポイントを解説します。
【POINT】離島の自動車事情
- 必要性: バスや電車がない島では、車がないと生活が成り立たないことが多い
- 塩害: 潮風の影響でサビやすく、本土よりも車の寿命が短い傾向がある
- 維持費: ガソリン代は高めだが、駐車場代はタダ同然という島もある
- 選択肢: 道が狭い島では、軽自動車(特に軽バン・軽トラ)が有力な選択肢

やあ、みんな!ココロ船長だにゃ。 悪いことは言わないから、まずは「サビに強い軽自動車」を選んでおくのが無難だにゃ!
離島移住に「車」は必要なのか?


ほとんどの離島では、車があると移動の自由度が大きく上がり、生活の段取りが組みやすくなります。 ※ただし島の規模や立地によっては徒歩・自転車中心でも成り立つ場合があります。



歩き中心で足りる島もあるけど、車があると安心感が段違いだにゃ! 車は「贅沢品」じゃなくて、島で生きるための「相棒」だにゃ!
公共交通機関の限界と生活スタイル
島によっては公共交通が少なく、バスが1日数本のところもあります。 また、商店や病院が集落から離れていることも多く、まとめ買いや急な通院には車が不可欠です。
【CHECK】車がないと困るシーン
- 買出: スーパーが遠く、台風前には水や食料の「箱買い」が必要になる
- 通院: 診療所まで距離があり、体調不良時にバスを待つのが困難
- 仕事: 求人の多くが「要普通免許(AT可)」で、通勤用マイカーが必須
【MEMO】例外的な島
- 小規模: 徒歩で一周できるような極小の島なら、車は不要(むしろ邪魔)
- 観光地: 竹富島のように、景観保護のため車の持ち込みが制限される島もある
- 地形: 平坦な島なら自転車でも暮らせるが、坂が多い島では厳しい
「原付バイク」や「自転車」ではダメ?
「車は維持費がかかるから、原付バイクで代用したい」という人もいますが、天候の影響をモロに受ける点には注意が必要です。 島は風が強い日が多く、雨が降ると横殴りの暴風雨になることも珍しくありません。
【ALERT】二輪車の弱点
- 強風: 海からの強風にあおられやすく、転倒のリスクが高い
- サビ: 車以上にパーツが剥き出しのため、潮風で驚くほど早く劣化する
- 積載: 灯油タンクや大きな荷物を運ぶのが難しく、結局誰かに頼ることになる
【CHECK】二輪車が向いている人
- 体力: 坂道や強風に負けない体力と気力がある
- 荷物: 普段から荷物が少なく、大きな買い物をしない
- 範囲: 行動範囲が集落内や近場に限定されている



バイクは風で転ぶと危ないにゃ。 雨の日はカッパを着てもずぶ濡れになるから、覚悟が必要だにゃ!
避けて通れない「塩害(サビ)」の恐怖


離島で車を持つ上で、最大の敵となるのが「塩害(サビ)」です。 「海の近くに住む」ということは、常に塩分を含んだ潮風にさらされることを意味します。



島の潮風をナメたら痛い目を見るにゃ。 「サビとの戦い」こそが、島で車を持つ宿命だにゃ!
車の寿命を縮める「潮風」の威力
海沿いに駐車していると、台風の翌日には車全体が白く塩でコーティングされたようになります。 この塩分を放置すると、ボディの塗装が浮き上がり、マフラーに穴が開くこともあります。
【ALERT】サビやすい箇所
- 足回り: タイヤのホイールやブレーキ周辺は特にサビやすい
- 屋根: ルーフの溝に塩が溜まり、そこから天井に穴が開くことも
- 電装: ラジエーターやエアコンのコンデンサー周りなど、前方の熱交換器が傷みやすい
【MEMO】査定への影響
- 下取: 離島で使っていた車は「塩害車」と見なされ、下取り価格が大幅に下がる
- 廃車: サビがひどいと部品取りもできず、廃車費用がかかることがある
- 寿命: 潮風や保管環境の影響で劣化が早まる場合があり、本土より短いサイクルで乗り換える人もいる
必須となる防錆対策とメンテナンス
塩害から愛車を守るためには、こまめなメンテナンスが欠かせません。 特に重要なのが、車の下回りを防錆塗料でコーティングする「アンダーコート」です。
【CHECK】効果的なサビ対策
- 塗装: 強力な防錆アンダーコート(チッピング塗装など)を施工する
- 洗車: 下回り洗浄機能のある洗車機を使うか、ホースで念入りに塩を流す
- 補修: 塗装が剥げたら、すぐにタッチペンなどで補修してサビの広がりを防ぐ
【MEMO】洗車のポイント
- 頻度: 台風の後や、海沿いを走った後は必ずその日のうちに洗う
- 場所: 車体の下、タイヤハウス、ドアの隙間を重点的に流す
- 水質: 井戸水は塩分を含む場合があるため、水道水を使うのがベスト



洗車をサボると、車はすぐ泣きを見るにゃ。 愛車のためなら、毎日の水浴びも苦じゃないはずだにゃ!
意外とかかる?離島の「自動車維持費」


「駐車場代が無料だから維持費は安い」と思いきや、離島ならではのコスト高要因があります。 なお維持費は、ガソリン・車検に加えて自動車税や任意保険、タイヤ等の消耗品でも差が出るため、全体で見積もるのが安心です。



駐車場代がタダでも、喜ぶのは早いにゃ。 ガソリンスタンドのレシートを見て、腰を抜かさないように注意だにゃ!
本土より高い「ガソリン代」の仕組み
離島のガソリン価格は、海上輸送や販売量の小ささ等の影響で本土より高めになりやすい傾向があります。 ※一例として沖縄県の公表資料では、離島と沖縄本島の価格差は月・島で変動しつつ、年度によって約20円/L前後となった整理もあります(地域差あり)。
【POINT】燃料費の特徴
- 価格: 輸送費がかかるため、本土よりも割高になるのが一般的
- 時間: 24時間営業のスタンドは稀で、日曜定休の店も多い
- 種類: ハイオクを取り扱っていない小さなスタンドもある
【CHECK】給油のコツ
- 満タン: 台風予報が出たら、船が止まる前に早めに満タンにしておく
- 現金: カードが使えない店もあるため、現金を用意しておく
- 時間: 夕方早くに閉まる店が多いので、日中に済ませる
「車検」はどうする?島内工場と海上輸送
車検も離島ならではのハードルがあり、島内に工場がない場合は本島まで運ぶ必要があります。 この「海上輸送費」が車検代に上乗せされるため、本土よりも割高になりがちです。
【CHECK】車検の方法
- 島内: 整備工場があれば依頼する(部品取り寄せで時間がかかることも)
- 出張: 定期的に来る出張車検に合わせて予約する
- 輸送: フェリーで本島や対岸の工場へ車を送る(輸送費が別途必要)
【MEMO】代車の有無
- 不足: 島内の工場は代車が少ないことが多く、車検中は徒歩生活になることも
- 貸借: 知り合いから使っていない軽トラを借りて凌ぐのも島あるある
- 予約: 代車が必要な場合は、数ヶ月前から予約しておくのが無難



車検のたびに船に乗せるのは大変だにゃ。 いざという時に頼れる、島の整備工場とは仲良くしておくにゃ!
車はどう調達する?輸送と現地購入


いざ移住する際、今乗っている車を持っていくべきか、それとも手放して現地で調達すべきか。 これは車種と車の状態によって判断が分かれます。



輸送費で中古車が一台買えることもあるにゃ。 「島で乗るのに適した車か?」を一度考えてみるにゃ!
愛車をフェリーで運ぶ「輸送コスト」
愛車を持っていく場合、フェリーでの海上輸送費がかかります。 片道で数万円規模になることもあり、航路や車のサイズ・時期で大きく変わります。
【POINT】輸送の注意点
- 予約: フェリーの車両積載スペースには限りがあるため、早めの予約が必要
- 手続: 港まで自分で運転して持ち込み、到着港で引き取るのが基本
- 車高: 車高を落としている改造車などは、乗船を断られることがある
【CHECK】無人航送の手順
- 受付: 港の貨物事務所で手続きをし、車検証を提示する
- 駐車: 指定された場所に駐車し、鍵をかけて窓口に預ける
- 受取: 到着港で引換証を見せ、鍵を受け取って車を出す
- ※無人航送はフェリー会社・航路で条件が異なりますが、事前予約や車検証の提示を求められることが多いです。
現地で「中古車」を探すメリット・デメリット
現地で調達する場合、輸送費はかかりませんが、選択肢は限られます。 島の中古車市場はタマ数が少なく、状態の良い車はすぐに売れてしまいます。
【CHECK】現地調達のコツ
- 掲示板: スーパーや役場の掲示板にある「車譲ります」情報をチェック
- 口コミ: 職場や近所の人に「車を探している」と伝えておく
- 整備: 譲ってもらう前に、エアコンやブレーキの効きを必ず確認する
【MEMO】島内中古車
- 状態: 島で流通している中古車は、すでに塩害を受けていることが多い
- 名義: 個人売買の場合、名義変更の手続きを自分で行う必要がある
- 価格: 輸送費がかからない分、個人売買なら安く手に入ることもある



島の掲示板は宝の山だにゃ。 タイミングが合えば、掘り出し物の軽トラが見つかるかもしれないにゃ!
離島で乗るなら「軽自動車」が最強な理由


これから車を用意するなら、迷わず「軽自動車」をおすすめします。 離島の道路事情や維持費を考えると、普通車(特に大型の3ナンバー車)はデメリットが多くなります。



島ではベンツより軽トラの方がモテるにゃ! 見栄を張らずに、実用性を取るのが賢い選択だにゃ!
狭い道と維持費のバランス
島の集落は昔ながらの狭い路地が多く、大きな車では対向車とのすれ違いや駐車に苦労します。 また、入り組んだ農道や海岸への道に入る際も、小回りの利く軽自動車が圧倒的に有利です。
【POINT】軽自動車のメリット
- 操作性: 狭い路地や直角カーブでもスムーズに曲がれる
- 維持費: 税金、車検、タイヤ代などの消耗品費が普通車より安い
- 輸送費: フェリーに乗せる際の運賃も、普通車より安く設定されている
【ALERT】普通車のデメリット
- 道幅: 集落の石垣や草木でボディを擦ってしまうリスクが高い
- 駐車: 港や商店の駐車場が狭く、ドアの開け閉めが窮屈になる
- 部品: 故障した際、島に部品がなく取り寄せに時間がかかる
人気の車種と駆動方式(4WD)
車種としては、荷物が積める軽バンや、日常向きの軽ハイトワゴン、農作業やゴミ出しに便利な軽トラックが人気です。 また、坂道が多い島や、未舗装の道を走る機会がある場合は、パワフルな「ターボ付き」や「4WD(四駆)」を選ぶと安心です。
【CHECK】おすすめの選び方
- 形状: 荷室が広く、キャンプや引っ越しにも使える「軽バン」
- 機能: サビに強い塗装や、汚れを洗い流しやすい内装の車
- 駆動: 坂道や悪路が多いなら、燃費を犠牲にしてでも「4WD」を選ぶ
【MEMO】軽トラが人気の理由
- 積載: 濡れたウェットスーツや泥のついた農具もそのまま積める
- 処分: 粗大ゴミを自分で清掃センターへ持ち込む時に活躍する
- 交流: 引っ越しや祭りの準備で貸し借りが生まれ、仲良くなれる



悪路も坂道もドンとこいだにゃ! おしゃれな車より、泥だらけでも絵になる車が「島の正義」だにゃ!
まとめ|島暮らしの相棒を見つけよう


今回は、離島生活での車の必要性や、避けては通れない「塩害リスク」、そして独特な「維持費」のリアルについて解説しました。
【POINT】離島の車事情まとめ
- 必要性: バスの本数が少ない島では、生活のために車がほぼ必須
- 塩害対策: 潮風でサビやすいため、アンダーコートやこまめな洗車が重要
- コスト: ガソリン代や輸送費のかかる車検など、維持費の内訳が本土と違う
- 車種選び: 狭い道でも走れて維持費が安い、軽自動車(4WD)が最適解
離島の車事情は特殊ですが、それ以上に「好きな時に海へ行ける」「重い荷物も苦にならない」という自由は、何にも代えがたい価値があります。
まずは現地の事情をよく調べ、サビやコストと上手に付き合いながら、あなただけの快適な島ライフを送ってください。



潮風で錆びたボディも、島で懸命に暮らした「勲章」だにゃ。 最高の相棒と一緒に、この島でしか見られない絶景を探しに行くにゃ〜!








