はじめに｜離島のガソリン、なぜ高い？
離島のガソリンは、本土より高くなりやすいです。 国や自治体の支援で差は抑えられていますが、それでも高めになる前提は必要です。
高くなる主な理由は、島まで運ぶコストがかかること、販売量が少なく固定費を回収しにくいこと、そしてスタンドの数が限られて価格競争が起きにくいことです。
この記事では、補助金の仕組みと、移住者が今日からできる燃費対策・給油のコツを分かりやすく解説します。
【POINT】離島ガソリン事情の要点
- 価格： 輸送費や販売量の少なさから、本土より高い傾向にある。
- 補助金： 国や自治体の支援により、極端な価格差が出ないよう調整されている。
- 対策： 燃費の良い軽自動車を選ぶ、早めの給油を心がけるなどの自衛が必要。
やあ、ココロ船長だにゃ！ 島でガス欠になったら命取りだにゃ。高い理由を知って、賢く走るのが島ドライバーの嗜みだにゃ！
離島のガソリンはなぜ高い？構造的な3つの理由
「同じ日本なのに、なぜこんなに値段が違うの？」 離島のガソリン価格が高くなる背景には、地理的条件と経済的な理由が絡み合っています。
海を渡るにはお金がかかるんだにゃ。ガソリンスタンドのおじさんも、維持するのに必死なんだにゃ。
1. 輸送コストが上乗せされる
ガソリンを島へ運ぶには、本土の製油所からタンクローリーに積み、それをフェリーに乗せて海を渡る必要があります。 この「船賃」や「人件費」が、直接リッターあたりの価格に転嫁されます。
【CHECK】輸送のプロセス
- 陸送： 本土の製油所から港までタンクローリーで運ぶコスト。
- 海上輸送： フェリーや貨物船に車両ごと乗せる（危険物輸送のため運賃が高い）。
- 島内配送： 港から島のガソリンスタンド（SS）まで運ぶコスト。
【MEMO】小さな島の輸送事情
- ドラム缶輸送： ローリーが入れない小島ではドラム缶で運ぶため手間倍増。
- 積み替え作業： 港での積み替えに人手と機材が必要になる。
- 天候リスク： 海が荒れると輸送船が出せず、供給がストップする。
2. 販売量が少なく経営効率が悪い
人口が少ない離島では、ガソリンの販売量が本土の店舗と比べて圧倒的に少なくなります。 少ない売上の中から、設備維持費や人件費を捻出しなければならないため、利益を確保するために単価を上げざるを得ません。
【ALERT】過疎地のSS事情
- 薄利多売不可： 客数が少ないため、1リットルあたりの利益を厚くしないと店が潰れる。
- 設備更新費： 地下タンクや計量機の更新には数千万円かかり、費用回収が困難。
- 後継者不足： 経営が厳しく、後継者が見つからずに廃業するSSが増えている。
【POINT】経営コストの内訳
- 人件費： 少人数でも、給油や配送スタッフの雇用維持が必要。
- 設備維持： 塩害による計量機や建屋の劣化が早く、修繕費がかさむ。
- 在庫リスク： タンク内の燃料が売れ残るリスクや、揮発によるロス。
3. 競争原理が働きにくい（競合が少ない）
多くの離島では、島内にガソリンスタンドが1軒〜数軒しかありません。 競合店が少ないため価格競争が起きにくく、価格が下がりにくい状況になりがちです。
【CHECK】島内SSの現状
- 1島1SS： 独占状態だが、そこが閉まったら生活できないため価格維持が許容される。
- 組合経営： 漁協やJAが運営するケースもあり、利益よりも「燃料供給の維持」を優先する場合がある。
- 価格固定： 競合が少ないため、値下げ合戦が起きにくく、高値で安定しやすい。
【MEMO】価格設定の背景
- インフラ維持： 利益を乗せているというより、赤字にならないギリギリの設定。
- 輸送費転嫁： 運賃の値上がり分を、そのまま価格に反映せざるを得ない。
- 高値安定： 島民も事情を理解しているため、価格に対するクレームは少ない。
「高い！」と文句を言う前に、島でガソリンを入れてくれるだけで感謝だにゃ。なくなったら車が鉄の塊になっちゃうにゃ！
離島のガソリン価格を下げる「補助金」の仕組み
「高すぎて暮らせない！」とならないよう、国や自治体も手をこまねいているわけではありません。 離島の燃料価格を是正するための補助金制度が存在します。
もし補助金がなかったら、今よりもっと高くなってもおかしくないんだにゃ。支援制度に感謝だにゃ。
国の「離島ガソリン流通コスト対策事業」
国（資源エネルギー庁）の補助制度では、離島でガソリンを値引きして販売できるよう、追加的な流通コストの一部を支援しています。 目的は「本土と同じ価格にすること」ではなく、離島特有のコスト差を抑えて、生活や事業の負担を軽くしつつ安定供給を守ることです。
【POINT】支援事業の概要
- 対象油種： ガソリン（レギュラー・ハイオク）。※年度により軽油・灯油・重油は対象外のことがあるため手引き確認。
- 仕組み： SSが条件に沿って値引き販売し、値引き分が助成されるのが基本（年度・地域で運用差）。
- 効果： 離島特有の追加的な流通コストの一部を支援し、価格差を縮めつつ安定供給を維持している。
【CHECK】補助金の限界
- 流通コスト： 離島特有の輸送・積み替えなどの負担を一部支援。
- 経営コスト： SSの人件費・設備更新費・維持費までは埋まりにくい。
- 価格差： 島の条件次第では、本土より高い状態が続くことがある。
自治体独自の「上乗せ補助」や「島民割引」
国の支援に加えて、離島の自治体が独自予算でさらに補助を上乗せしているケースがあります。 これにより、本土とほぼ変わらない価格を実現している島もあります。
【CHECK】自治体の取り組み例
- 価格抑制奨励金： SS事業者に対し、リッターあたり数円の補助を出して値下げを促す。
- 島民カード割引： 住民票がある島民に対し、給油時に割引が適用されるカードを発行する。
- 漁船燃料補助： 生活用だけでなく、漁業用のA重油などに対する支援も手厚い。
【MEMO】割引を受ける準備
- 転入届： まずは住民票を移し、島民としての資格を得る。
- 制度確認： 自治体の給油割引は島ごとに異なるため、役場＋利用SSで確認。
- カード提示： 給油の際に指定のカードや証明書を提示する（忘れると適用外）。
島の割引制度は島ごとに違うにゃ。役場とスタンドで「何が対象か」を確認して、使えるものは早めにゲットだにゃ！
移住者が知っておくべき「給油」の注意点
価格だけでなく、離島ならではのガソリンスタンド（SS）の利用ルールにも注意が必要です。 「24時間いつでも入れられる」という本土の感覚は捨てましょう。
日曜日にドライブしようと思ったらガス欠…なんて悲劇は避けるんだにゃ。お店の休み時間は暗記必須だにゃ！
営業時間が短く、日曜定休も多い
離島のSSは個人経営や少人数運営が多いため、営業時間が短く、日曜・祝日が定休日であることも珍しくありません。
【ALERT】給油の落とし穴
- 閉店時間： 夕方17時〜18時には閉まる店が多い。仕事帰りに寄ろうと思っても間に合わない。
- 日曜休み： 日曜日は全休、または午前中のみ営業というパターンが多い。
- 昼休み： お昼の時間帯（12時〜13時）は店員さんが休憩のため店を閉めることがある。
【CHECK】給油難民にならない対策
- 早めの給油： メーターが半分を切ったら入れる癖をつける。
- 週末前の確認： 週末に遠出する予定があるなら、金曜・土曜のうちに満タンにしておく。
- 営業確認： Googleマップの情報は古い場合があるため、近所の人に正確な時間を聞く。
台風前は「給油待ち」の行列ができる
台風が接近すると船が欠航し、ガソリンの入荷が止まります。 島民はそれを知っているため、台風予報が出るとSSに長蛇の列ができます。
【ALERT】在庫切れのリスク
- 入荷停止： 船が止まればタンクローリーも来ない。数日間、島全体の在庫が枯渇する。
- 給油制限： 在庫が少なくなると「1台10リットルまで」などの数量制限がかかる。
- 緊急優先： 消防車や救急車、発電機用の燃料確保が優先され、一般車は後回しになる。
【POINT】台風時の備え
- 満タン確保： 台風発生のニュースを見たら、混雑する前にすぐ給油に行く。
- 停電対策： 車は「動く蓄電池」。スマホ充電や冷暖房として使えるよう燃料を残す。
- 予備携行缶： 消防法適合缶を使用し、保管・運搬・給油ルールを順守（自治体・消防に従う）。
台風前のスタンド行列は島の風物詩だにゃ。並んでる間に情報交換するのが、島民のリアルな日常だにゃ。
島暮らしの車選び｜燃費とEV（電気自動車）
ガソリンが高い離島では、車選びが家計の防衛策になります。 「燃費」を最優先にするか、いっそガソリンを使わない「EV」にするか、検討の価値があります。
島は潮風で車が錆びるから、高級車より「燃費の良い中古車」が最強のパートナーだにゃ。
ハイブリッドや軽自動車が有利
島内の道路は狭く、信号も少ないため、ストップ＆ゴーが少ない環境です。 小回りが利き、燃費が良い車が圧倒的に有利です。
【CHECK】おすすめの車種
- 軽自動車： 維持費（税金・保険）が安く、燃費も良い。島の狭い道でもすれ違いやすい。
- ハイブリッド： ガソリン代の高さを燃費でカバーできる。静かなので夜間の走行も気兼ねがない。
- 中古車： 塩害でどうせ錆びるため、新車ではなく乗り潰し前提の中古車を選ぶ。
【MEMO】塩害対策のリアル
- 防錆塗装： 車の購入時に、下回りのサビ止め塗装（アンダーコート）を厚めに施す。
- こまめな洗車： 台風の後や海沿いを走った後は、必ず水洗いして塩を落とす。
- 割り切り： 「車は消耗品」と割り切り、数年で乗り換えるサイクルを想定する。
電気自動車（EV）は離島に向いている？
ガソリンスタンドが減少し、燃料価格が高い離島こそ、電気自動車（EV）のメリットが活きるという見方もあります。
【POINT】離島×EVのメリット
- ガソリン購入不要： EVはガソリン不要だが電気代はかかる。自宅充電中心ならプラン次第で抑えやすい。
- 航続距離： 島は一周の距離が短いため、EVの弱点である「航続距離の短さ」が気にならない。
- 給油の手間なし： SSの営業時間や定休日を気にせず、家で寝ている間に充電できる。
【ALERT】導入のハードル
- 塩害リスク： バッテリーや充電ポートへの塩害影響が心配（防錆処理が必要）。
- 整備拠点： 島内の整備工場がEVに対応していない場合、故障時に本土へ送る必要がある。
- 停電リスク： 台風で長期間停電した場合、車が動かなくなる（V2Hがあれば給電可能）。
EVはガソリンスタンド要らずで便利だけど、台風停電の時だけは要注意だにゃ。電気とガソリン、どっちを信じるかはあなた次第だにゃ！
まとめ｜高いガソリン代は「工夫」で乗り切る
今回は、離島のガソリン価格と補助金の仕組みについて解説しました。
【POINT】記事の要点
- 価格： 輸送費や販売量の影響で本土より高めだが、補助金で一定程度おさえられている。
- 注意点： SSは数が少なく、夕方閉店や日曜定休が一般的。台風時の在庫切れにも注意。
- 対策： 燃費の良い車を選ぶ、早めに給油する、場合によってはEVも検討する。
「ガソリン代が高い」という事実は変えられませんが、補助金制度を知り、燃費の良い車を選び、計画的に給油することで、生活への影響は最小限に抑えられます。
美しい海沿いのドライブは、離島暮らしの特権です。 燃料費の心配を少しでも減らして、快適なカーライフを楽しんでください。
早めの給油とエコドライブで島上手だにゃ。スタンドの人と仲良くなると、島の情報も入るにゃ！
