はじめに|内見は「宝探し」ではなく「粗探し」である

「海の見える古民家」に憧れて内見に行くと、絶景に目を奪われ、建物の致命的な欠陥を見落としがちです。
離島の家は潮風と台風で傷みやすく、見た目が綺麗でも「中身はボロボロ」というケースも珍しくありません。
気づかずに買えば、数百万円の修繕費が後からのしかかります。 失敗しないために、内見は「粗探し」と割り切りましょう。
この記事では、素人でも欠陥を見抜ける「全30項目のチェックリスト」を解説します。
【POINT】この記事の要点
- リスク:離島の古民家は「雨漏り・シロアリ・塩害」のリスクが高い
- 目的:内見は「粗探し」の場。修繕費の規模を把握するために行う
- 対策:全30項目のリストを使い、構造・設備・権利関係を網羅的に見る

やあ、みんな!ココロ船長だにゃ。内見はデートじゃなくて「健康診断」だにゃ!心を鬼にしてチェックしないと、後で泣くことになるにゃ。
出発前の準備|手ぶらは厳禁!持っていくべき7つ道具


内見に行く際、不動産屋さんや役場の担当者に案内されるがまま、手ぶらでついて行ってはいけません。 プロの業者は必ず道具を持って現場に入りますし、私たちも最低限の道具を持参することで見落としを防げます。



ビー玉ひとつで家の傾きがわかるにゃ。100円ショップで揃うものでいいから、これだけはカバンに入れていくにゃ!
必須アイテムとスマホアプリ
まず、絶対に持っていくべきなのが以下のアイテムです。 特に懐中電灯は、ホームセンターで売っている明るいものを用意しましょう。スマホのライトでは光量が足りません。
【CHECK】内見の7つ道具
- 懐中電灯:強力なもの。床下や屋根裏の闇を照らすために必須
- ビー玉:床に置いて転がり具合を見る(水平器アプリでも可)
- メジャー:5.5m以上のもの。家具配置や搬入口の確認に使う
- スリッパ:床が汚れていたり、危険物が落ちていたりするため
- 作業服:汚れてもいい服と軍手。床下や草むらに入るため
- 筆記用具:メモ帳とペン。気になった点をその場で記録する
- マスク:カビの胞子や埃、潜んでいる虫から身を守る
【POINT】入れておくべきアプリ
- 水平器:スマホを床に置くだけで傾斜角度がわかる
- コンパス:方位磁石。日当たりや風向きの確認に使う
- ライト:予備として(電池切れ対策に)ライト機能の確認だけしておく
図面がない場合の対処法とマナー
離島の空き家バンク物件では、図面が存在しないことも多々あります。 その場合は、自分で手書きの間取り図を描きながら回ることになります。
【POINT】記録のコツ
- 手書き:部屋の配置だけでなく、コンセント位置や窓の向きも書く
- 動画:「引き」で全体を、「寄り」で傷や汚れを撮影する(※許可必須)
- 写真:後で見返すために、気になった箇所は全て撮っておく
【CHECK】同行者への質問リスト
- 修繕歴:「過去の台風で、どこか壊れたことはありますか?」
- 管理:「シロアリの駆除や予防はいつ頃しましたか?」
- 近隣:「お隣さんや近所には、どんな方が住んでいますか?」



遠慮して聞かないのが一番の損だにゃ。笑顔でズバッと聞くのが、後悔しないコツだにゃ!
【外回り】屋根・外壁・基礎|台風と塩害の爪痕を探せ


家の中に入る前に、まずは外周を一周して建物の「防御力」をチェックします。 離島の家にとって最大の敵である「水(雨)」と「塩」が侵入しているサインを見逃してはいけません。



中が綺麗でも、外側がボロボロなら意味がないにゃ。特に屋根は「家の帽子」だから、穴が開いてないか厳しく見るにゃ。
【01〜03】屋根・瓦・雨樋(ズレ・割れ・サビ・詰まり)
屋根に上がるのは危険ですが、離れた場所から双眼鏡やスマホのズーム機能を使って確認します。 屋根の不具合は即、雨漏りに直結するため最重要項目です。
【CHECK】屋根周りの確認ポイント
- 【01】屋根・瓦:ズレ・割れがないか(草・苔の増殖も確認)
- 【02】雨樋:途中で割れていないか、落ち葉で詰まっていないか
- 【03】軒裏:屋根の裏側(軒天)に雨染みや黒ずみがないか
【ALERT】絶対にやってはいけないこと
- 登る:瓦が割れたり転落したりする危険があるため、屋根には登らない
- 直下:瓦や雨樋が落下してくる可能性があるため、真下で長時間見ない
- 刺激:スズメバチの巣がある場合があるので、不用意に揺らさない
【04〜06】外壁・基礎(クラック・爆裂・チョーキング)
次に、外壁と家の土台となる「基礎」を見ます。 小さなヒビでも、そこから水が入り込めば内部の木材を腐らせます。
【CHECK】壁と基礎の確認ポイント
- 【04】外壁のヒビ:名刺が入るような深いヒビ(クラック)はないか
- 【05】塗装:壁を触ると白い粉がつくか(チョーキング=防水切れ)
- 【06】基礎:コンクリートが割れ、中の鉄筋が見えていないか(爆裂現象)
【MEMO】爆裂現象(ばくれつげんしょう)とは
- 原因:コンクリート内部に塩分が入り、鉄筋が錆びて膨張すること
- 症状:内部からコンクリートが押し出され、剥がれ落ちる
- リスク:家の基礎強度が著しく低下するため、大規模な補修が必要
【07】外部設備(塩害サビ・給湯器)
給湯器や室外機などの設備は、離島の塩害エリアでは消耗品です。 稼働するかどうかだけでなく、錆びの進行具合も確認しましょう。
【CHECK】設備の確認ポイント
- 【07】サビ:給湯器や電気メーターボックスがボロボロではないか
- 室外機:エアコンの室外機が塩で腐食していないか
- 固定:台風で飛ばされないよう、しっかり固定されているか
- 離隔:LPガス容器の近くに、室外機など熱源になる機器が密集していないか
【POINT】塩害エリアの宿命
- 寿命:海沿いは塩害で、給湯器などの劣化が早いことがある
- 対策:耐塩害仕様の製品を選ぶか、定期的な水洗いが有効
- 交換:入居時に新品交換が必要なコストとして計算に入れておく



外壁のヒビは、シロアリを呼ぶ「招待状」になるにゃ。「たかがヒビ」と思わず、家全体が蝕まれていないか疑うにゃ。
【構造】床下・小屋裏・傾き|家の「内臓」を直接見る


いよいよ家の中に入りますが、見るべきは壁紙の綺麗さやキッチンのデザインではありません。 家の骨格である「柱」「床」「梁(はり)」が生きているかどうかを確認する必要があります。



「表面のボロさ」と、家の寿命に関わる「構造のボロさ」は別物だにゃ。見えないところこそ、這いつくばってでもチェックするにゃ!
【08〜09】建物の傾き・建具の動作
建物全体が歪んでいないかを確認します。 傾きが大きい場合、地盤沈下や構造材の腐食など、根本的な問題を抱えている可能性があります。
【CHECK】傾きの確認ポイント
- 【08】床の傾き:ビー玉を置いて、勢いよく転がらないか
- 【09】建具:襖やドアが勝手に開いたり、重くて動かなかったりしないか
- 柱:柱と建具の間に、上下で隙間の大きさが違っていないか
【ALERT】傾いた家に住むリスク
- 健康:傾きが強いと、めまいなどの不調を感じる人もいる
- 防犯:鍵がかかりにくくなり、防犯上のリスクが高まる
- 耐震:地震が起きた際、倒壊する可能性が格段に高くなる
【10〜11】小屋裏・天井(雨漏りと害獣)
押し入れの天袋などを開け、懐中電灯で天井裏を照らします。 ここは雨漏りと害獣被害の証拠が残りやすい場所です。
【CHECK】天井裏の確認ポイント
- 【10】雨染み:木材や天井板に、黒いシミ(雨漏り跡)がないか
- 【11】害獣:ネズミやハクビシンのフン、鳥の巣などがないか
- 光:屋根の隙間から、外の光が漏れていないか
【MEMO】害獣がいるサイン
- 音:夜になると天井裏から「カタカタ」「ドタドタ」と音がする
- 臭い:獣臭やアンモニア臭(糞尿の臭い)が漂っている
- 痕跡:断熱材が食いちぎられていたり、位置がずれていたりする
【12〜14】床下・基礎内部(シロアリ・湿気)
ここが最重要ポイントです。畳を一枚上げるか、点検口から床下を覗きます。 シロアリ被害があれば、修繕費は跳ね上がります。
【CHECK】床下の確認ポイント
- 【12】床の沈み:歩くとフカフカする場所はないか(腐食・シロアリ)
- 【13】蟻道:基礎に茶色い土のトンネル(シロアリの道)がないか
- 【14】木材:柱を叩くと空洞音がしないか(中が食われている)
【ALERT】シロアリ発生の予兆
- 羽アリ:春〜夏に羽アリを多く見かけたら要注意(時期は種類・地域で差)
- 木屑:柱の周りに、木くずのような細かい糞が落ちている
- 湿気:床下の土がジメジメしており、カビの臭いがする



床がフカフカするのは、シロアリがパーティしてる合図かもしれないにゃ。想像するだけで痒いけど、めくって確認が必要だにゃ!
【設備】水回り・インフラ|島暮らしのライフライン


建物が無事でも、生活インフラが使えなければ暮らすことはできません。 特に離島では「下水道未整備」「ガスはプロパンのみ」が常識なので、念入りな確認が必要です。



「蛇口をひねれば水が出る」のが当たり前だと思っちゃダメだにゃ。水圧、排水、電気……全部自分で確かめるまで信用するなにゃ!
【15〜17】水道・排水(水圧・漏水)
実際に蛇口をひねり、水が出るか、流れるかを確認します。 高台の家では水圧不足、空き家期間が長いと配管詰まりのリスクがあります。
【CHECK】水回りの確認ポイント
- 【15】水圧:水は勢いよく出るか(チョロチョロなら加圧ポンプが必要)
- 【16】漏水:シンク下の収納を開け、パイプから水漏れしていないか
- 【17】排水:水を流した時、ゴボゴボと異音がしたり詰まったりしないか
【POINT】漏水チェックの裏ワザ
- メーター:家中の水を止めた状態で、水道メーターの針(パイロット)が回っていないか見る
- 音:静かな状態で、壁や床下から「シュー」という音がしないか聞く
- 臭い:シンク下や洗面台の下で、カビ臭さが強くないか確認する
【18〜19】トイレの形式(下水・浄化槽・汲み取り)
トイレが「水洗」に見えても、中身は要注意です。 処理方式によって、維持費やリフォーム費用が大きく変わります。
【CHECK】トイレの確認ポイント
- 【18】処理方式:下水道か、浄化槽か、汲み取り(ボットン)か
- 【19】換気扇:動くかどうか(壊れていると湿気と臭いがこもる)
- 簡易水洗:見た目は洋式でも、定期的な汲み取りが必要なタイプか
【MEMO】トイレのリフォーム費用
- 汲み取り:水洗化は工事条件で幅が大きく、100万円前後〜の目安になることもある
- 浄化槽:浄化槽は設置して終わりではなく、保守点検・清掃・法定検査などの維持管理が前提です。
- 補助金:自治体によっては、水洗化工事に補助金が出ることがある
【20〜23】電気・ガス・通信
現代の生活に欠かせないインフラを確認します。 特に携帯の電波は、見落とすと生活に支障が出ます。
【CHECK】電気・ガス・通信の確認ポイント
- 【20】アンペア:30A以下ではないか(エアコンを使うなら増設が必要)
- 【21】ガス:プロパンガスのボンベ設置場所と、契約会社を確認する
- 【22】コンセント:各部屋にあるか、焦げ跡がないか
- 【23】電波:家の奥やトイレまで、自分のスマホの電波が入るか
【ALERT】通信環境の確認
- 回線:光回線の引き込み線がきているか(エリア内か)
- 速度:4G/5Gが入っても、速度が極端に遅くないか(動画が見れるか)



トイレのリフォーム代はバカにならないにゃ。「ボットン便所でも愛せるか」それとも「200万払うか」の決断が必要だにゃ。
【敷地・権利】再建築・搬入・境界|「買えない・直せない」を見抜く


最後に、建物そのものではなく「土地」と「法律」のチェックです。 ここがNGだと、そもそもリフォーム工事ができなかったり、将来建て替えができなかったりします。



家だけ見て土地を見ないのは、一番危険なパターンだにゃ。車が入らない家は、リフォーム代が1.5倍になることもあるにゃ!
【24〜25】接道状況と搬入経路(再建築・工事)
家の前の道路は、リフォーム工事や将来の資産価値に直結します。 車が入らないと、資材を手運びすることになり工事費が跳ね上がります。
【CHECK】道路の確認ポイント
- 【24】道幅:4m未満か(道路種別は役場で確認)
- 【25】搬入:2トントラックや軽トラが、家の前まで入れるか
- 段差:道路と敷地に大きな高低差や、急な階段がないか
【MEMO】セットバック(後退)とは
- ルール:道幅を4m確保するため、敷地の一部を道路として提供すること
- 影響:使える敷地面積が減り、塀や門を作り直す必要がある
- 確認:役場の建築課で、その道路が「建築基準法上の道路」か確認する
【26〜28】境界・共有物・排水
隣地との境界や、共有設備のルールを確認します。 曖昧なまま購入すると、後で近隣トラブルの原因になります。
【CHECK】敷地・境界の確認ポイント
- 【26】境界杭:隣との境界を示す「杭」があるか
- 【27】共有物:井戸や私道を共有していないか(維持管理ルールの確認)
- 【28】水はけ:雨水が溜まりやすい地形や、隣から流れてくる地形ではないか
【ALERT】よくある境界トラブル
- 越境:隣の木の枝や屋根が、自分の敷地に入り込んでいないか
- 曖昧:ブロック塀がなく、口約束で境界が決まっている
- 時効:長年他人が使っていて、権利を主張されることがある(取得時効)
【29〜30】権利関係と災害リスク
目に見えない法的制限や、災害リスクを確認します。 これらは契約前に必ず役場で確認すべき事項です。
【CHECK】権利・災害の確認ポイント
- 【29】未登記:増築部分が未登記だったり、敷地が農地だったりしないか
- 【30】ハザード:土砂災害警戒区域や、津波浸水想定区域に入っていないか
【POINT】役場での確認事項
- 農地転用:畑がついている場合、宅地に変更できるか(農地委員会)
- 補助金:改修や解体に使える補助金があるか(移住定住係)
- インフラ:水道の引き込み管の口径や、下水道計画の有無(水道課)



「隠れ家」は素敵だけど、救急車も来れない場所なら命取りだにゃ。買う前に役場で確認すれば、防げるトラブルだにゃ。
まとめ|「自分の目」で見た事実だけが判断材料になる


今回は、離島の古民家を内見するときのチェックポイント(全30項目)を解説しました。
全てをクリアする完璧な物件は稀ですが、事前にリスクを知れば「想定外の出費」は防げます。
【POINT】内見の結論
- 事実:雰囲気ではなく、構造やインフラの「事実」を見る
- 費用:修繕が必要な箇所を把握し、予算内で直せるか判断する
- 調査:不安な場合は「ホームインスペクション(住宅診断)」を入れる
大切なのは、欠陥がない家を探すことではなく、「直すのにいくらかかるか」を把握して契約することです。
不安な箇所は専門家の力も借りながら、あなたが納得して長く住める「運命の一軒」を見極めてください。



家は「買ってからが始まり」だにゃ。悪いところも全部ひっくるめて、面倒を見切れる覚悟ができる家を探すんだにゃ!








