はじめに|島の暮らしを守り、育てるための法律

日本には約1万4,000もの島々がありますが、本土から海で隔てられた離島の暮らしは、決して楽なものではありません。 物価が高かったり、医療が少なかったり。
そんな離島ならではのハンディキャップを埋め、島を守るために作られたのが「離島振興法(りとうしんこうほう)」です。
一見、難しい行政の話のように聞こえますが、実は私たち旅行者や移住希望者にとっても、意外なメリットがある身近な法律なんです。
【この記事でわかること】
- 離島振興法の仕組みと目的
- 法律の対象となる島(指定離島)の一覧
- 移住者や旅行者へのメリット(運賃割引など)
この記事では、法律の堅苦しいイメージを捨てて、これからの島旅や暮らしにどう役立つのかをわかりやすく解説します。

やあ、ココロ船長だにゃ!今回は島の未来を支える「法律」の話だにゃ。島を元気にする大切なルール、一緒に勉強するにゃ!
離島振興法とは?その目的と役割


「離島振興法」 は、1953年(昭和28年)に議員立法として制定された、離島対策の根幹となる法律です。
戦後の復興期において、本土から取り残されがちだった離島の生活水準を引き上げ、本土との格差を是正することを最大の目的としてスタートしました。



島のみんなを支えてきた歴史ある法律だにゃ!これのおかげで、船賃が安くなったり病院ができたりしてるんだにゃ。
なぜ離島振興法が必要なのか?
離島は、海で隔てられているという地理的条件から、様々な不利な条件(ハンディキャップ)を抱えています。
【離島が抱える課題】
- 交通の不便さ:
- 移動に時間とコストがかかる
- 経済規模の小ささ:
- 市場が小さく、産業が育ちにくい
- 生活環境の厳しさ:
- 医療、教育、防災などのインフラ整備が遅れがち
これらの条件不利性は、放置すれば人口流出を加速させ、無人島化を招く恐れがあります。 離島振興法は、こうした不利を補うために国が特別な予算や支援策を講じる根拠となるものです。
ちなみに、離島が直面している具体的な問題点については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
「国の領域保全」という重要な役割
近年、離島振興法には単なる「格差是正」だけでなく、「国の重要な役割を担う地域」としての位置づけが加わりました。
【国家戦略としての離島】 離島に人が住み続けることは、日本の領海や排他的経済水域(EEZ)を保全し、海洋資源を守ることにも直結します。 つまり、離島振興は島民のためだけでなく、日本全体の利益を守るための戦略でもあるのです。



島の人が住み続けることは、日本の海を守ることにも繋がってるんだにゃ。島暮らしは、実はとっても大きな役割を果たしているんだにゃ!
離島振興法の対象地域一覧(指定離島)


離島振興法の支援を受けることができるのは、法律に基づいて指定された「離島振興対策実施地域」です。
令和7年4月1日現在、256の有人離島(77地域)が指定されています。



日本中の島が対象になっているわけじゃないんだにゃ。「人が住んでいるか」「本土から離れているか」など、色々な条件で決まるんだにゃ。
指定地域の分布と特徴
対象地域は北海道から鹿児島県まで全国に広がっています。
【主な対象地域】
- 北海道:利尻島、礼文島、奥尻島など
- 日本海側:佐渡島(新潟)、隠岐諸島(島根)、対馬・壱岐(長崎)など
- 瀬戸内海:小豆島(香川)、周防大島(山口)、江田島(広島)の一部など
- 太平洋側:伊豆諸島(東京)、八丈島(東京)など
- 九州周辺:五島列島(長崎)、屋久島・種子島(鹿児島)など
これらの島々では、公共事業の補助率かさ上げや、税制優遇、交付金の活用など、様々な支援措置が適用されます。
対象外となる離島(他の法律が適用される島)
「離島」であっても、離島振興法の対象にならない島があります。
【対象外のケース】
- 他の特別措置法がある地域:
- 沖縄県全域(沖縄振興特別措置法)
- 奄美群島(奄美群島振興開発特別措置法)
- 小笠原諸島(小笠原諸島振興開発特別措置法)
- 架橋された島:
- 淡路島(兵庫)や天草上島(熊本)の一部など、本土と橋で繋がり、交通の利便性が本土と同等とみなされた島は、指定解除となる場合があります。
そもそも「離島」の定義や、法律ごとの違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。



住んでみたい島が対象かチェックだにゃ!支援の有無で生活のしやすさが全然違うんだにゃ。
令和5年(2023年)法改正のポイント


離島振興法は10年ごとに見直されており、直近では令和4年(2022年)11月に改正法が成立、令和5年4月に施行されました。
これにより、法の有効期限は令和15年(2033年)3月末まで延長され、現代の課題に合わせた新しい支援策が盛り込まれました。



法律もアップデートされてるんだにゃ!ドローンやリモートワークなど、今の時代に合わせた支援が増えているのがポイントだにゃ。
1. ソフト支援の強化(離島活性化交付金)
これまでの道路や港などのハード整備に加え、近年は「人や産業を育てるソフト事業」への支援が強化されています。
今回の改正でも、定住促進や観光振興など、島の実情に合わせた柔軟な取り組みへの支援「離島活性化交付金」の重要性が再確認されました。
2. デジタル技術の実装と活用
改正法では、地理的ハンディキャップを克服するための強力な武器として、ICT(情報通信技術)の活用が明記されました。
遠隔医療、オンライン教育、ドローン物流など、デジタル技術の社会実装を推進し、離島の生活利便性を向上させることが期待されています。
【島でのテレワーク】 こうした流れを受けて、島でのワーケーション環境も整いつつあります。実際のネット回線事情については、以下の記事も参考にしてください。
3. 移住・定住の促進と関係人口
人口減少対策として、移住者の受け入れだけでなく、「関係人口(観光以上・移住未満の関わりを持つ人)」の拡大も重視されています。
ワーケーションの推進や、島外の人材との連携強化など、新しい人の流れを作るための施策が法的に位置づけられました。



これからは「関係人口」が鍵だにゃ!ネットを使えば、どこにいても島を応援できる時代なんだにゃ!
私たちの生活へのメリット(移住・観光)


離島振興法は、行政だけでなく、島で暮らす人や島を訪れる人にも具体的なメリットをもたらしています。
私たちが島旅を楽しんだり、移住を検討したりする際にも、この法律の恩恵を受けているのです。



難しい話ばかりじゃつまらないにゃ。結局、船長たちにとってどんないいことがあるのか、具体的に教えるにゃ!
1. 船や飛行機の運賃が安くなる(航路運賃補助)
島への移動にかかる交通費は大きな負担です。
離島振興法や関連施策に基づき、国や自治体は航路・航空路の運賃を安くするための補助金を出しています。
特に住民向けの割引制度(離島割引カードなど)は、生活の足を支える重要な支援です。
2. 医療や教育の環境維持
採算が合いにくい離島の診療所や学校を維持できるのも、国の支援があるからです。
国による「へき地医療拠点病院への支援」や、「離島の高校生への修学支援(通学費等の助成)(PDF)」、ICT教育環境の整備など、島でも安心して子供を育て、暮らしていける環境づくりに使われています。
3. 起業や産業への支援
島で新しくビジネスを始めたい人や、特産品を開発したい事業者に対して、創業支援や設備投資への補助が行われることがあります。
離島振興法に基づく特区制度や税制優遇を活用することで、ビジネスチャンスを広げることが可能です。



交通費が安くなるのは旅行者にも嬉しいにゃ!起業サポートもあるから、夢を叶えるチャンスかもしれないにゃ!
まとめ|法律を知れば、島の「これから」が見えてくる


今回は、「離島振興法」をテーマに、その目的や対象地域、私たちの生活への関わりについて解説しました。
【離島振興法の要点】
- 目的:
- 離島の自立的発展、住民の生活安定、国の領域保全。
- 対象:
- 全国256の有人離島(沖縄・奄美・小笠原を除く)。
- 最新動向:
- デジタル化や移住定住、ソフト事業への支援を強化。
離島振興法は、単なる「弱者救済」の法律ではなく、日本の宝である島々を未来へ繋ぐための「投資」の法律と言えます。
移住を考える際は、その島がどのような振興計画を持っているかを知ることで、将来性や支援の手厚さを判断する材料にもなります。
美しい海や自然を守り、そこで暮らす人々の笑顔を支えているのは、こうした法律と、それを活用して島を良くしようとする人々の熱意なのです。



国も島のみんなを応援するよっていう約束だにゃ!これがあるから、安心して島旅や移住ができるんだにゃ。ありがたいにゃ!






