灯台の地図記号の由来は？「発電所」との違い・見分け方を解説

はじめに｜地図上の小さな「光のマーク」

地図を眺めていると、海岸線や岬の先端に、特徴的な記号が描かれているのを見たことはありませんか？

それが「灯台」を示す地図記号（マーク）です。

しかし、この記号、パッと見では「発電所」の記号と少し似ていたり、昔の教科書で見た「工場」の記号と混同してしまったり、「どっちがどっちだっけ？」と迷った経験はありませんか？

この記事では、「灯台の地図記号」に焦点を当て、その形の由来や、紛らわしい他の記号との簡単な見分け方について、分かりやすく解説していきます。

灯台の地図記号と由来

まず、「灯台」の地図記号がどのようなものか、その「形」をしっかり見ていきましょう。

さらに、なぜあの独特なマークになったのか、その「由来」についても探っていきます。

灯台の地図記号の形

国土地理院が定めている「灯台」の地図記号は、この形です。

この記号は、中心部（光源）と、そこから放射状に伸びる線（光）で構成されています。

地図記号の「由来」は？

では、なぜこのような形が「灯台」のマークとして定められたのでしょうか。

国土地理院の公式な解説によると、この記号は「灯台（光源）を上から見た形と四方八方に光が出ている様子」を図案化したもの、とされています。

• 中心部
  灯台の「光源」（光る部分）を真上から見た形
• 放射状の「線」
  灯台から放たれる「光」が、四方八方を照らしている様子

※歴史的な「灯明台の十字構造に由来する」といった説も見られますが、国土地理院の公式な根拠は確認できないため、本記事では公式説明を採用します。

似ている記号との違い・見分け方

さて、ここが今回の探検のキモです。
灯台の地図記号は、特に「発電所」の記号や、昔の記憶にある「工場」の記号と混同しがちです。

ここでは、それぞれの記号の特徴と、見分ける（覚え方）コツを解説します。

① 似ている地図記号｜「灯台」 vs 「発電所・変電所」

「灯台」 vs 「発電所・変電所」

• 灯台
  中心（光源）から「放射状の光」が出るモチーフです。
• 発電所・変電所
  発電機を「歯車」と「電気回路」で図案化。表示する位置は管理施設などの建物に置かれます。

【見分けるコツ】
モチーフの違いで覚えましょう。「光」のイメージが「灯台」、「歯車と回路」のイメージが「発電所」です。「光」か「電気（歯車）」かで、見分けることができますね。

② 似ている地図記号｜「灯台」 vs 「（旧）工場」

「灯台」 vs 「（旧）工場」

「灯台と似ている記号」として「工場」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

それもそのはず。教科書などでは、長く「灯台」「工場」「発電所」が“間違いやすい記号”として並べて紹介されてきました。

かつての「工場」記号は機械の「歯車」がモチーフ、発電所・変電所は「歯車＋電気回路」、灯台は「光源を上から見た形＋四方八方の光」。見た目が近く、混同されがちでした。

ただし、昔の「工場」記号は現在は採用されていません。いまは施設名で表記し、目立つ煙突がある場合は「煙突」の記号が併記されます。

※補足：平成25年（2013年）の図式見直し以降、使われていないと紹介されています。現行の地図記号一覧（電子地形図25000）にも「工場」は掲載されていません。

まとめ｜灯台の地図記号の見分け方

今回は、「灯台の地図記号」をテーマに、その由来や紛らわしい「発電所」記号との見分け方、そして多くの人が混同していた「（旧）工場」記号の現状について解説しました。

• 灯台の地図記号は、中心の光源と放射状の光を組み合わせた形。
• 由来は、国土地理院によると「光源を上から見た形と光が輝く様子」から来ている。
• 「発電所」との違いは、モチーフが「光」か「歯車と回路」かで見分ける。
• 「工場」の記号は、現在の主要な地図記号一覧（電子地形図25000）には掲載されていない。

地図記号は、その土地が持つ機能を小さなマークに凝縮した、まさに「情報の宝箱」です。

この豆知識を知っていれば、次に地図を開くのがもっと楽しくなるはずです。 ぜひ、地図の上でも「灯台探検」を楽しんでみてくださいね。