はじめに|灯台は「見る」だけじゃない、「登る」もの!

「灯台めぐり」と聞くと、岬の先端に立つ美しい姿を遠くから眺めるだけと、思っていませんか。
あるいは、灯台のふもとまでは行けるけれど、中には入れないものだと思っているかもしれません。
しかし、日本全国には、実際にその内部に入り、らせん階段を登って、灯台守(とうだいもり)と同じ景色を体験できる、特別な灯台が存在します。
この記事では、そんな「灯台めぐり」の醍醐味である、全国の「登れる灯台(参観灯台)」全16基のリストを、2025年の最新情報に基づき、参観料金、参観時間、アクセス情報まで徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたの次の灯台めぐりのプランは、ただ灯台を訪問するだけでなく、その頂上を目指す「探検」へと変わるはずです。

やあ、みんな!ココロ船長だにゃ! 灯台は下から見るだけじゃもったいないにゃ。 自分の足で螺旋階段を登る最高の体験をするんだにゃ! この記事で全16基をマスターするにゃ!
「登れる灯台」を起点とする【灯台めぐりの楽しみ方】


日本には3,000基超(3,103基/令和7年3月末)の灯台がありますが、そのすべてに登れるわけではありません。
まず、灯台を巡る旅を何倍も楽しくする要素として、「登れる灯台」を起点とした様々なコレクションやイベントについて解説します。



そうだにゃ!日本全国には灯台が3,000基以上もあるが、登れるのはたった16基の「選ばれし灯台」だけなんだにゃ。この16基を起点に、カード集めやスタンプラリーといった探検を広げるのが船長流だにゃ!
1. 全国の灯台の、たった16基の「選ばれし灯台」
「登れる灯台」は、正式には「参観灯台(さんかんとうだい)」と呼ばれています。
これらは、海上保安庁の管理下で、公益社団法人「燈光会(とうこうかい)」が参観事業(一般公開)を行っている、全国でわずか16基(2025年11月現在)しかない、非常に貴重な灯台です。
内部が一般に開放され、灯台の上部(灯室の下にあるバルコニーなど)まで登ることができます。
2. 「参観寄付金」が必要(基本300円)
これらの参観灯台は、貴重な航路標識の歴史や文化を維持・保存するために、入場料として「参観寄付金」を設けています。
金額は灯台によって異なる場合もありますが、基本的には中学生以上300円(小学生以下は無料)が一般的です(2025年11月現在)。
この寄付金が、灯台の美化や補修に使われ、未来へとその姿をつないでいくことになります。
3. 「灯台スタンプラリー」で制覇を目指そう
この記事で紹介する「登れる灯台(参観灯台)16基」は、まさに「灯台スタンプラリー」の対象となっている灯台です。灯台を巡りながら、専用のスタンプ帳(御朱印帳のようなもの)に記念スタンプを集める、非常にやりがいのあるコレクションです。
16基すべてを集めて「制覇」を達成した人には、達成記念品が授与されます。さらに希望者(任意)は、燈光会ホームページの「参観灯台制覇者」として名前が掲載されます。
4. 記念に「灯台カード」も集めよう
灯台を訪れた「証」として、記念の「灯台カード」を集めるのもおすすめです。
これは、灯台のスペックや歴史がデザインされたデジタルの記念カードで、現地に設置されたQRコードを読み取って収集します。
5. デートなら「恋する灯台」もチェック
もしロマンチックなデートで灯台を訪れたいなら、「恋する灯台」プロジェクトも知っておくと良いでしょう。
これは灯台を「恋愛の聖地」として認定する別のプロジェクトで、中には「登れる灯台」と「恋する灯台」の両方に選ばれている場所もあります。



300円で、あの絶景と歴史的な建造物の中に入れるんだから、安いもんだにゃ!キミたちの寄付金が、海の安全とロマンを守る力になるんだにゃ。
【2025年最新】全国「登れる灯台」全16基一覧リスト


それでは、日本全国に点在する「登れる灯台(参観灯台)」全16基のリストを、地域別に一挙に紹介します。
それぞれの参観料金、基本的な参観時間、アクセス情報をまとめましたので、次の「灯台めぐり」の計画に役立ててください。



よーし、ここからが本番だにゃ!北から南まで、全16基のコンプリートを目指すんだにゃ!
1. 北海道・東北エリア(3基)
まずは、北の大地と東北地方の灯台です。冬季は参観が休止になるため、訪問時期には特に注意が必要です。
- 尻屋埼灯台(しりやさき)/青森県東通村
- 特徴:レンガ造りの灯台としては日本一の高さを誇ります。周辺には「寒立馬(かんだちめ)」が放牧されていることでも有名です。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:00
- アクセス:JR「下北駅」から車で約45分
- ※2025年10月24日より当面のあいだ参観休止中(クマ出没のため)。最新情報は燈光会ページで必ず確認してください。
- 入道埼灯台(にゅうどうさき)/秋田県男鹿市
- 特徴:白黒の縞模様が美しい灯台。男鹿半島の最北端に位置し、日本海に沈む夕日の名所としても知られています。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:00
- アクセス:JR「羽立駅」からバスで約60分「入道埼」下車
- 塩屋埼灯台(しおやさき)/福島県いわき市
- 特徴:映画『喜びも悲しみも幾歳月』の舞台として、また美空ひばりさんの「みだれ髪」の歌詞にも登場する、ロマンあふれる灯台です。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:00
- アクセス:JR「いわき駅」からバスで約40分「灯台入口」下車
2. 関東・東海エリア(5基)
関東エリアから伊豆半島、東海地方にかけては、首都圏からのアクセスが良く、灯台めぐりの「入門ルート」として最適です。
日本の近代灯台史が始まった場所(観音埼)から、絶景のドライブコース(伊豆・遠州灘)まで、個性豊かな灯台が集まっています。
- 犬吠埼灯台(いぬぼうさき)/千葉県銚子市
- 特徴:日本を代表する灯台の一つで、「世界の灯台100選」にも選ばれています。99段のらせん階段を登った先の景色は圧巻です。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:3–9月 8:30–17:00(GW・8月は~17:30)/10–2月 8:30–16:00
- アクセス:銚子電鉄「犬吠駅」から徒歩約10分
- 野島埼灯台(のじまさき)/千葉県南房総市
- 特徴:日本で2番目に古い洋式灯台。八角形の美しい形で、房総半島の最南端に立ち、太平洋を一望できます。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:00
- アクセス:JR「館山駅」からバスで約40分「野島埼灯台口」下車
- 観音埼灯台(かんのんざき)/神奈川県横須賀市
- 特徴:日本初の洋式灯台が建てられた場所として、歴史的に非常に重要な灯台です。東京湾の入口に立ち、行き交う多くの船を見守っています。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:00
- アクセス:京急「浦賀駅」からバスで約15分「観音崎」下車
- 初島灯台(はつしま)/静岡県熱海市
- 特徴:熱海港から高速船で渡る離島「初島」にある灯台。灯台の頂上からは360度の大パノラマが楽しめます。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:10:00~16:00(通年)
- アクセス:熱海港から高速船で約30分、初島港から徒歩約10分
- 御前埼灯台(おまえさき)/静岡県御前崎市
- 特徴:「日本の灯台50選」にも選ばれた、美しい白亜の灯台。遠州灘と駿河湾を分ける海の難所に立っています。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:3–10月〔土日等〕9:00~16:30/〔平日〕9:00~16:00、11–2月 9:00~16:00
- アクセス:JR「菊川駅」からバスで約50分「御前崎灯台」下車
3. 近畿エリア(3基)
紀伊半島や伊勢志摩など、風光明媚な海岸線に点在する灯台たちです。
本州最南端(潮岬)や、映画のロケ地(安乗埼)など、歴史とロマンにあふれるエリアです。
- 安乗埼灯台(あのりさき)/三重県志摩市
- 特徴:珍しい四角形の灯台。映画『喜びも悲しみも幾歳月』のロケ地にもなりました。的矢湾(まとやわん)の美しい景色が望めます。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:00
- アクセス:近鉄「鵜方駅」からバスで約20分「安乗崎灯台口」下車
- 大王埼灯台(だいおうさき)/三重県志摩市
- 特徴:絵になる風景として有名な、断崖絶壁に立つ白亜の灯台。周辺は「絵描きの町」としても知られています。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:00
- アクセス:近鉄「鵜方駅」からバスで約20分「大王崎灯台」下車
- 潮岬灯台(しおのみさき)/和歌山県串本町
- 特徴:本州最南端に立つ歴史的灯台。明治6年(1873年)点灯の由緒を持ちます。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:00
- アクセス:JR「串本駅」からバスで約17分「潮岬灯台」下車
4. 中国・九州エリア(3基)
日本海(山陰)から九州南部まで、日本を代表する「スター灯台」が揃うエリアです。
「石造日本一」の出雲日御碕灯台や、絶景の角島灯台、野生馬の都井岬灯台など、個性豊かな灯台を探検できます
- 出雲日御碕灯台(いずもひのみさき)/島根県出雲市
- 特徴:塔高43.65mで、石造灯台としては日本一の高さを誇ります。「世界の歴史的灯台百選」にも選ばれ、国の重要文化財にも指定されています。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:00
- アクセス:JR「出雲市駅」からバスで約60分「日御碕灯台」下車
- 角島灯台(つのしま)/山口県下関市
- 特徴:絶景で知られる角島大橋を渡った先にある、総御影石造りの美しい灯台。「恋する灯台」にも認定されています。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:3–9月 9:00~17:00/10–2月 9:00~16:30(最終入場は各20分前)
- アクセス:JR「特牛駅」からバスで約25分「灯台公園前」下車
- 都井岬灯台(といみさき)/宮崎県串間市
- 特徴:九州で唯一の「登れる灯台」。野生馬「御崎馬(みさきうま)」が生息する都井岬の先端に立っています。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:概ね 9:00~16:30
- アクセス:JR「串間駅」から車で約40分
5. 沖縄エリア(2基)
沖縄エリアの灯台は、なんといってもそのロケーションが魅力です。
コバルトブルーの海とサンゴ礁(リーフ)を見下ろす断崖絶壁に立ち、本州とはまったく異なる雄大な景色を体感できます。
- 残波岬灯台(ざんぱみさき)/沖縄県読谷村
- 特徴:沖縄本島で最も高い(約31m)灯台。東シナ海に面した断崖絶壁に立ち、雄大な景色が楽しめます。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:9:30~16:30(週末等は~17:30)
- アクセス:那覇空港から車で約60分
- 平安名埼灯台(へんなさき)/沖縄県宮古島市
- 特徴:宮古島・東端の断崖に立つ白亜の灯台。碧い海とリーフを一望できる「のぼれる灯台」の一つです。
- 参観料金:中学生以上 300円
- 参観時間:9:30~16:30(週末等は~17:00)
- アクセス:宮古空港から車で約35分



圧巻の全16基リストだにゃ!最新の16基は上のリストのとおりだにゃ!さあ、キミはどの灯台から探検を始めるかにゃ?
灯台めぐりの注意点


「登れる灯台」は、普通の観光地とは少し違います。
安全に楽しく「灯台めぐり」を満喫するために、船長からいくつか注意点を伝えておきます。



よーし、探検の前の大事な注意点だにゃ!岬の天気は変わりやすい。準備を怠ると、せっかくの探検が台無しになっちまうからにゃ。
1. 「参観時間」と「休止日」を必ず確認!
これが最も重要です。
灯台は岬の先端にあるため、天候(特に強風、大雨、濃霧)によって、安全のために予告なく参観が中止になることがよくあります。
また、北海道・東北の灯台は冬季休止期間あり(例:尻屋埼は概ね10/1〜3/31休止)です。出発前に燈光会ページで必ず確認しましょう。
2. 階段は急!体力と服装の準備を
灯台の内部は、歴史ある建造物であるがゆえに、非常に狭く、らせん階段も急こう配です。
エレベーターはもちろんありません。
特に「犬吠埼灯台(99段)」や「出雲日御碕灯台(163段)」は、登り切るのにかなりの体力を使います。
動きやすい服装と、必ずスニーカーなどの歩きやすい靴で挑戦しましょう。ヒールやサンダルは非常に危険です。



よーし、ここからが本番だにゃ!狭い階段を登りきった先に待ってる、360度の大パノラマと潮風は、登った者にしか味わえない「ご褒美」だにゃ!
まとめ:全国16基の灯台を制覇しよう!


今回は、日本全国にわずか16基しかない、貴重な「登れる灯台(参観灯台)」の全リストと、その巡り方、注意点を解説しました。
記事のポイントを最後におさらいします。
- 「登れる灯台」は全国に16基あり、燈光会が管理している。
- 参観するには「参観寄付金」(基本300円)が必要。
- 16基それぞれの場所、特徴、参観時間、アクセスを把握することが重要。
- 訪問前には「天気」と「休止情報」を必ず公式サイトで確認すること。
「灯台めぐり」の魅力は、ただ美しい姿を写真に収めるだけではありません。
実際にその中に入り、狭く急ならせん階段を登り、かつて灯台守が毎日見ていたのと同じ景色を、自分の目で確かめることにあります。
ぜひこの記事を「航海図」代わりにして、全国16基制覇の壮大な「灯台めぐり」に出かけてみてください。



どうだにゃ?登ってみたくなったかにゃ!16基すべてを登りきれば、キミは一流の「探検家」だにゃ!さあ、次の休みはスニーカーを履いて、灯台のてっぺんを目指すんだにゃ!











